40.ご馳走様でした ページ40
.
九井さんを家に連れ帰って、ベットに寝かせたのが夜中の2時だった。
疲れていては、家に帰る気にもなれず、まぁ別にやましい事もないしと勝手に九井さんの部屋で寝た。
それが夜中の2時15分だった。
.
体がもう朝を覚えてしまっては、アラームもセットせずに寝たのにも関わらず、私の体は朝7時に目を覚ましていた。
九井さんが起きている様子もなく、スーパーは空いていないけれど、最近のコンビニは野菜まで売ってるらしい。
ちょっと驚いた。
卵と野菜少しで作ったのは、質素だと言われそうな簡易的な朝食である。思わず2人分作ってしまった、食べるのかな?あの人。
そんなことをぼんやりと考えていたのなら、聞こえてきた足音
ボサボサな白い髪の毛
見開かれた瞳
.
─────── いつの日かの三葉くんみたいな彼がいる。
.
私と彼がご飯を食べる時、必ずと言っていいほどに、無音の世界がそこに広がる。話すことがないのか、話したくないのか、わかりもしないけど。
まぁ別に、特別な関係でもなんでもない。
カチャカチャとなる食器の音だけが響いている。そんな何も無い空間が私たちの間に形成される。
.
「ご馳走様でした」
九井「ごちそうさん」
「あと大丈夫ですか。私、仕事行くんで」
九井「ん、へーき。洗いもんは自分でやる」
「自炊とかします?しないなら、食材もってかえるんですけど」
九井「時間ねぇから、いいよ。持って帰って」
.
そうやってガチャガチャと音を立てて、台所へと流れ込んでいく食器たちを眺めながら、別にいいとでも言うようにと
割れても良いみたいな、雑な扱いを眺めて
あっそ、と考えてしまう。
.
九井「ただ」
.
部屋を出たあとに、声が聞こえて振り向いたのなら
.
九井「美味かった」
.
───────── バタンッ。
.
目の前で閉まるドアを見つめては、意味のわからない感情に振り回されそうになる。あの人、今
美味かった
って言った?
.
閉まった扉をただ見つめるだけだった。
.
41.中毒者→←39. irregular ─ side 九井
253人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時