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秘密 ページ6

霧島side








2人は俺の話を、静かに

しかし驚いた表情で聞いている。






霧島「……さっき、お前さんに

名前を言う時、あの子は

苗字を言わなかっただろう?



あの子は昔から、ヤクザの娘ってんで

変な目で見られてきた。



高校生になる頃には、努力をして

女性らしさを磨いて、離れた高校へ行き、

火貂の言う苗字を口にしても

ヤクザの娘だとバレないように

振る舞っていた。





だが、お前さんみたいに

火貂という名を聞いて

火貂組を思い浮かべるであろう奴には


苗字を名乗りたがらなくなっちまった。




あの子にとって、火貂という名前は

重荷かもしれないが、それでも

その名に誇りを持っているのも事実だ。





…………よし、おかずはこんなもんでいいか。





コーヒーお代わり飲むか?」




銃兎「え?…あ、頂きます。」


理鶯「……頼む。」





粥の他に、俺達やお嬢の分の

おかずを作り終え、お代わりのコーヒーと

自分の分を持って向かいのソファに座る。






霧島「おら、飲め。






んで、なんだったっけか?




あぁ、そうそう。


あの子……お嬢は組の奴らにも優しくてな、

昔から、皆の様子をよく見ていた。


具合の悪そうな奴や、辛そうなやつらを

気にかけて、声をかけたりしてな、

俺ら組員の癒しでもあった。





お嬢が高校生の時だったか、

左馬刻がうちの組に入った。



左馬刻は昔は今より扱いづらくて、

組長も俺も、手を焼いてた。



それでもお嬢は他の奴らと同じように、

左馬刻の事も気にかけていた。



初めは、お嬢に歳下扱いされてんのが

気に食わなかったらしくて、

不躾は態度も取っていたが、


気づいた頃には、すっかり懐いていてな。




詳しい事は知らんが、

それ以来、お嬢は左馬刻だけを

気にかけるようになって、


左馬刻とお嬢はよく一緒にいるようになった。




その頃だったか。



左馬刻を気に食わねぇやつが

お嬢に手を出しそうになったことがあった。



その時たまたま近くにいた部下が

お嬢を助け、そのまま組長の所へ

連れ帰って事情を説明した。




それがきっかけで、

俺はお嬢の世話係兼護衛役になった。



組長の俺への信頼は厚かったし、何より、

お嬢が俺に懐いてくれていたんでな。」

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作者名:ゆず | 作成日時:2019年7月17日 2時

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