不安 ページ46
Aside
2年前、TDDが解散した頃、
よく左馬刻から連絡が来ていたけど、
自分から居場所を伝えて
会いたいと言われたのは久々だった。
すぐに左馬刻の家に向かい、
つい最近渡されたばかりの合鍵で
中に入り、声をかける。
左馬刻はすぐに反応し、
無言で抱きついてきた。
いつも、控えめに擦り寄ってくるけれど、
ここまで堂々と抱きついてくる事は
とても珍しかったから
何かあったのかと思った。
なんと声をかけようか悩んでいると、
左馬刻「…………なぁ、
俺は、…………………………
お前は、俺だけのもんになれよ。
俺も、お前だけのもんなんだから。」
何かあったのかな。
不安になったのかな。
A『……ねぇ、知ってた?
私、左馬刻を好きになってから、
組の皆に声をかけることも
面倒を見ることも、やめたんだよ?』
左馬刻「………嘘だろ。
俺の部下と話してるところ、
この前見たぞ。」
A『あれは、話しかけられたんだよ。
話しかけられて無視するほど
冷たくはできないもの。
でも、自分から関わるのはもう辞めたの。
今は、左馬刻だけなんだよ。
私にとっては、もうとっくに
私は左馬刻だけのものになってたよ。』
左馬刻「……なら、約束しろよ。
ぜってぇ、他の奴のとこなんか行くな。
お前は、俺から離れんな。
……俺の元から、いなくなんな。」
A『大丈夫、大丈夫。
絶対、離れない。約束。
ずっと、左馬刻と一緒にいるよ。
私が好きなのは、左馬刻だけだもん。
これまでも、これからも。』
左馬刻「………………あぁ。」
左馬刻は覚えてないみたいだけど、
会う度に、左馬刻の独占欲は強くなってて、
組の他の誰かと話しているのを見ては
よく問いただされていたから、
なるべく皆とは距離を取るようになった。
そうしてからは、あまり
その事に触れなくなったから、
気づいてくれたと思っていたけど、
これも、無意識だったみたい。
左馬刻と初めて話をしてから、今までずっと
私は気を使ってることを悟られないように、
たまには、自分のわがままという事にして
左馬刻が少しでも甘えられるように、
少しでも安心出来るように
考えて言葉をかけていた。
全て本心ではあったけど、
普段であれば言わずにいた言葉も
全て、左馬刻のために紡いだ。
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作者名:ゆず | 作成日時:2019年7月17日 2時