職場 ページ12
霧島side
左馬刻の様子を聞く限り、
思っていたより平気そうだった。
しかし……
霧島「お嬢、明日明後日の仕事は
どうするつもりだ?」
A『そうだね……んー……。』
銃兎「仕事がどうかしたのか?」
霧島「左馬刻が回復するまでは
いつも付きっきりになるんだが、
今は丁度忙しい時らしくてな。」
A『やめた社員がいるせいで
人手が足りなくて。
でも、上司は事情を知ってるから
後で相談してみる。』
理鶯「Aは、なんの仕事をしているんだ?」
A『言ってなかったね。
渋谷の出版社に務めてるの。』
銃兎「渋谷?」
A『渋谷は色んな人たちがいるから
火貂と名乗っても何ともないの。』
銃兎「あぁ、それでか。」
A『まぁ、その上司はこの事も知った上で、
仕事ぶりで判断してくれて
今も一緒に仕事をしてるんだけど。』
理鶯「いい上司と出会ったのだな。」
A『うん、とてもいい人。』
そんな話をしているうちに皆が食べ終わり、
俺は片付けを、お嬢は左馬刻の元へ
戻って行った。
霧島「……お嬢の上司は、
確かに良い奴だが、昔少しだけ
うちの組と関わっていたやつなんだ。」
銃兎「それは……
彼女は知っているんですか?」
霧島「いや、伝えてない。
裏で、そいつと話をつけて、
お嬢の職場を確保する代わりに
そいつの事も、お嬢へは言わない
ってことになったんだ。
そいつも、お嬢には惚れてるらしくてな。」
理鶯「そいつも、というのは?」
霧島「お嬢に密かに惚れてるやつは
かなり多いんだよ。
俺くらい、昔から知ってる奴らは別だが
大抵の人間はお嬢に惚れちまうらしい。
まぁ、あの火貂組組長の一人娘で
しかも左馬刻の手付きってなりゃ
手を出してくるやつはいないがな。」
銃兎「……そうでしょうね。」
理鶯「確かに、彼女はいい女だ。
左馬刻にはお似合いだな。」
霧島「そうだなぁ。
早くくっついてくれたら
俺の気も少しは休まるんだがな。」
左馬刻のやつは、
いつまで待たせるつもりなんだか。
理鶯「……その事は、あまり
触れてはいけないことだったのだろうか。
先程は不躾に失礼なことをした。すまない。」
霧島「あぁ、いやいい。
お嬢はそんなに気にしてないんだ。」
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作者名:ゆず | 作成日時:2019年7月17日 2時