思い ページ30
霧島side
こいつらには
状況を説明しておくべきだと判断し
帰ろうとする二人を呼び止めた。
霧島「あいつらの接し方、異常だろ?
特に、左馬刻の独占欲は凄まじい。
けど、あれは今だけだ。
弱ってる時の左馬刻は
お嬢を失うことを極端に怖がってる。
そのせいで、あんなことになってんだが
無意識、つーか、
お嬢に甘やかされて思考が溶かされた状態で
言ってることなんでな。
寝言だと思っといてくれ。」
銃兎「そうですか。
しかし、左馬刻も凄いが、
Aも相当でしたよ。」
霧島「お嬢のあれは、本心ではあるが
左馬刻に合わせて
あいつが一番欲しがってる言葉と
態度をとってるだけだ。
今はあんなにお互いベッタリで
甘ったるいが、普段は全然だ。
むしろ心配になるくらい
お互いに放任してる。」
銃兎「それは、左馬刻が彼女を
遠ざけているからでは?」
霧島「それもあるが、
そうなる前から、あいつらは
お互いの思いを信頼している。
その思いの強さは変わらねぇ。
だから、普段はお互いが
異性と何をしようが
全く気にしてねぇな。
ほら、お互い会わなくても、
溜まるもんは溜まるだろ。
そういうのの処理に
誰といようが、構わねぇんだと。
ほんと、二人とも極端だよな。」
理鶯「左馬刻がそう言うのは
分からなくもないが
Aは本当に気にならないものなのか?」
霧島「最終的に自分の元に
戻ってきてくれて、
自分だけを選んでくれるなら、
今は何をしてても待てる、らしい。」
銃兎「強いですね、Aは。」
霧島「ほんと、流石だ。
だてに組長の娘やってねぇよ。
器のデカさがそこらのやつとは
まるっきり違う。」
霧島「他に、聞きたいことがあれば
答えてやるぞ。」
理鶯「Aの母親は、
今どうしているのだ?
父親の話しか出てこないが。」
霧島「母親か。
あいつは極妻になりきれなかったんだ。
あそこでの生活に耐えれなくて
逃げ出したよ。
随分足取りが掴めていなかったが
今は中央区にいるらしい。
たまたま出入りしてるところを
部下が見たそうだ。
組長の指示で、もうあいつとは
俺らは一切関わらねぇ。
もちろん、お嬢もだ。
お嬢自身、母親をあまり
よくは思っていないから
会いたいとも言わねぇしな。」
理鶯「そうか。」
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作者名:ゆず | 作成日時:2019年7月17日 2時