迎えに行く3 (最後の解剖。苦手な方は飛ばして大丈夫です！) ページ8
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「前とは違って、コントロール群(正常マウス)のように殺したものではなく、移植した癌の転移によって死んだものです。」
と、丁寧に
「臓器同士が
引き続き説明する鼠出先輩に、とっさに首を振る。
そもそも動物実験班の希望者が少なかったため、慢性的にあっちは人手不足だ。
どうせなら"前に手伝ってくれた学生を使おう"となるのは納得できる。
「前に解剖主体にしてくれたのはこっちのメンツと…細胞班の三柳さん、あとAさんだね。」
おず、と二人で頷く。
隣には笑顔満開の小兎先輩がいた。
「開き方は大丈夫だと思うけど、前より臓器は汚いからよろしく。」
「はぁ〜！///やっぱ綺麗なのが一番なんだなー！！まぁ！楽しいから、いっか！！」
**
…私が解剖する意味はあったのかと。
否。
ｸﾞﾁｬ…
「あっははは！楽しいっ！ごめんねー！私血を見るとテンション上がっちゃって！」
「…。」
赤塚大学でこの子たちの…、癌が全身転移してこんなにボロボロになって死ぬ理由が、あったのかと。
「…すみません、肝臓が…腸膜と癒着…というか、境界線が認知できません。」
「あっ、Aちゃんもか…うーん…私もです。慣れてないからかな…。」
「いや、なかなか難しいからね。助手さん、すみませんが細胞の子たちの手助けを。」
「おっけーよ。」
私達じゃない、賢い誰か。
この子たちの死をまだ何とか、何とか、「より価値のあるもの」に変えられる人はいませんか。
「血が、前よりよっぽど黒いわね…。」
「前より生臭さを感じる…。」
死に価値づけするなんて最低だ。
いや、死に価値があってたまるか。
そう思いながらも『私でなければ誰でもいいから』と思い続けてしまう。
「転移数を確認するよ。メラニン系の細胞だから転移先が黒い。その黒いのを臓器ごとにカウントしてくれ。」
『はい。』
「切った臓器を生理食塩水で洗ってからね。」
『はい。』
「あっはは！細胞の子達顔青いぞー！？3？4回目かな？？Aさん！」
「…はい。」
「慣れなきゃあ！いや待てよ？私が殊勝になるべきかな？？」
「あはは…」
─…A…ﾋｭｰ……ごめんなぁ…─
ネズミの命に
─ブツン。
押し潰されそうだ。
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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…！ありがとう…！ほっこりしてくれたならよかった…！でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねｗｗ応援本当にありがとう！ (2016年10月22日 21時) (
レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜！！人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ！！ゆっくりで良いから頑張ってね！ (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”！さきさん！！どんぴしゃですね！！笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…！本当にありがとうございます！共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω＼)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…！ (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます！これからも頑張ってください！ (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよ | 作成日時：2016年9月19日 20時
