銭湯とくつろぎ [カラ松][トド松] ページ46
ガラ…
「おかえり、Aちゃん。」
優しい灯る廊下の光を背に受けて、カラ松さんは微笑んだ。
「ふふっ、ただいま、カラ松さん。」
ただいまです、と返していた日々はどこへやら。
代わる代わるの六つ子さん達のおかえりに、ただいまと返せる日々が続いていた。
土間から廊下へ上がって、カラ松さんを見上げる。……ん?ちょっと嬉しそうかもしれない。
彼は笑って…
「フッ、今日は病院実習の最終日だろう?お疲れさま。……というわけで、これは俺からの餞別だ。」
「…!?///」
ひょい、と飴をくれた。
くれた飴は綺麗な水色のロリポップキャンディ。
「い、いいんですか?」
実習疲れの脳が目の前の糖分を欲していた。
もちろんさ、と笑顔で飴をくれる彼の手に、じゃあ…と手を伸ばせば、少し自分の手が当たる。
ただそれだけで、こんなにも緊張してしまうものか…。
ありがたく口に含めば甘くて、甘い、そんな優しい味が広がった。
「
「ああ(笑)だな。」
少し口を開けるカラ松さん。歯列の隙間から少し舌が見えて一瞬緊張した。
舌が青くなるね、って意思表示だろう。
そう思って私も少し舌を出した。
「ん、青。」
「…///……や、やばい…いや、マズいそれはマズいぞAty… 「そこまでだよサイコ松兄さん!!!!!!」ッぐほぁ!!!!?」
「か、カラ松さん!!?」
青くなってるかと聞いていた相手は視界の横へ吹っ飛ばされた。
見事なトド松さんのドロップキック。
しゅたっ、と降り立った末弟さんは腕を組んでふんす、と息をつく。
「油断も隙もあったもんじゃないよねゴリ松兄さんは。あっ、今のゴリラとゴリ押しをかけたかけたインテリジェンスなあだ名だからね。」
可愛く怒るトド松さんをみてつい笑ってしまう。
ってああ、笑ってる場合じゃないカラ松さんは…と飛ばされた方を見れば「な、何故ドロップキック…」とぼやきながらもケロリと戻ってきてくれた。
「病院の方は終わりだったよね、お疲れさまっ。囲碁クラブの人がおすすめって言ってたピーチマカロン買ってきたから、…よかったら食べて。」
いつものトド松さんらしくない、若干の緊張の表情。
さっと出された小さな紙袋は、可愛い包装をしならせ、私の手の上に乗った。
口の中も、掌の上も、甘いもの。
「ふふっ。」
呼吸をするように笑えば、トド松さんも照れ臭そうに笑った。
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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…!ありがとう…!ほっこりしてくれたならよかった…!でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねww応援本当にありがとう! (2016年10月22日 21時) (レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜!!人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ!!ゆっくりで良いから頑張ってね! (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”!さきさん!!どんぴしゃですね!!笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…!本当にありがとうございます!共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω\)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…! (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます!これからも頑張ってください! (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2016年9月19日 20時