病院実習７ [六つ子] ※ここからです ページ44
…この件については沈黙を貫き通すぞ私は。
「只でさえあり得ないですよ！六つ子とか五つ子なんて！しかも一卵性とか更にあり得ない！！」
私も最初、その常識でカラ松さんに罵声を浴びせてしまったなあとしみじみ思い返す。
先生が歩く後ろについて意見を交わす実習生達。
「いたら奇跡、まさに伝説ですよね。一卵性となると性別も同じ…になるのかな理論上。…妊娠高血圧に貧血、肺への圧迫…母体にはきつかっただろうね…。」
「まあ実際いたとしたらマスコミやらの格好の話題にされそうだし、マジなら病院側が"伝説"と言って揉み消すのも解る気がする。」
「急に現実味(笑)でもあり得ないよねAちゃん！」
「…！」
あまりにも沈黙を貫いてしまったからか話を振らせてしまった。
ねー！あり得ないよね！と条件反射…？
「…ふふ、どうだろうね。あったら素敵だなと思うけど。」
…いや。
私の口から、[彼らを否定する]なんて、したくなかった。
「まあ噂は噂よ。医療業界はセンセーショナルな内容の事が平気で起こったりするから【守秘義務】が試される時よ諸君。で、最後は……」
ﾋﾟﾛﾛﾛﾛ…
先生がまとめて次の見学場へ行こうとした時、彼女の業務用携帯が鳴動した。
少し待ってね、とだけ言って、手慣れた手つきで先生はコールを受け取る。
「はい薬剤師笠原。………え？薬を混ぜて結晶ができた？ああ、すみませんフロセミドと何を混ぜました？……ええ、……ええ、ええ。…あー、なるほど。あのですね、フロセミド自体は酸性ですがフロセミド注は溶剤の影響で強塩基性なので配合変化起こしやすいんですー。ええ、あ、でしたら向かいます、そちらへ。はい。」
ﾋﾟｯ。
これはお留守番だと察した実習生全員で先生を見上げる。
「ごめんね、ちょっと用事が出来たので、10分でいいからここで待ってて。」
「「「「はい。」」」」
言うだけ言って白衣を翻し、先生は走り去っていった。
「「「「………。」」」」
実習生同士で顔を見合わせる。
「今のちょっとだけ」
「うん」
「まあちょっと」
「だね、ちょっと…」
「「「「かっこよかったね。」」」」
***
「はあ……これでお別れだね。皆、卒業後には薬剤師になろうね！」
「卒業後まで結果がわからないのは苦痛だけどな。この面子ならいけるでしょ。」
「国試難化してるっていうけどねー？w」
「なりたいね。皆、今までありがとう。」
いやいや、と三人は謙遜する。
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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…！ありがとう…！ほっこりしてくれたならよかった…！でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねｗｗ応援本当にありがとう！ (2016年10月22日 21時) (
レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜！！人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ！！ゆっくりで良いから頑張ってね！ (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”！さきさん！！どんぴしゃですね！！笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…！本当にありがとうございます！共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω＼)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…！ (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます！これからも頑張ってください！ (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよ | 作成日時：2016年9月19日 20時
