温もりと来訪2 [十四松] ページ5
チュン…チュンチュン…
「……///」
「んがー……すやぁ……」
狭い布団で二人。
いや、あまりにも可愛らしかったのと、気恥ずかしいのとで布団はほとんど譲ってしまった。
布団で健やかに眠る彼。
この状況は何となくカラ松さんとの夜を思い起こさせた。
「……//」
急に部屋に入ってきたかと思うと、顔をみるなり嬉しそうにタックル。
じゃなくて抱きつき?力一杯ぎゅーってされた。
『あ!!!やっべ、楽しみにとっとぐんだった〜!やっちまったァ〜!』
時代劇のような口調で頭を抱え、ぺちょん、と床にへたりこむ。
『帰る!!!』と立ち上がって、『お邪魔しました!』と礼儀正しく頭を下げる姿を見ると…
『あらそう、さよなら』
と言うのも気が引けて。
泊まることを勧めてみた次第。
…もちろん、昨日の時点で松代さんには連絡済みだ。
「……十四松さん。」
華奢だが筋肉質な感触。そんな肩にそっと指を置いて軽く揺さぶった。
「ふぁ…なぁに?朝…?おはよぉ?」
目を袖で擦りながら笑う、そんな仕草に
とく、とく、と心拍は上がる。
「クス、お早うございます。寝ていてくれて構わないのですがそろそろ私は出ますね。朝ごはんはコンビニご飯になっちゃうんだけど…冷蔵庫にあるので。」
「まじすか!今日もテストぉ?」
「ですね。でも後2,3日で終わります。」
「ほぅん。」
相槌を聞いてゆっくりと玄関に向かう。
早い時間だが向こうでも勉強しないといけない。
「もし帰るなら、鍵はここなので、閉めてポストにいれておいてもらえますか。」
「ラジャー!!…あっ、Aちゃん!」
「ん?」
少しドアを開けて、まだ暗い空から僅かな光が射し込む中。
十四松さんの方に振り返る。
「…!///」
暖かい感触と体温。
あ、と名前を呼んだ時にはきっと彼は駆け出していたんだろう。
きゅ、と抱き締められた。
「頑張ってね、テストね、応援してる!あと邪魔しちゃってごめんなサヨナラホームラン!!」
「……ぁ…//」
今まで。
今までに十四松さんから、何度か抱擁してもらったことはあったけど…。
自分で開けたドアから入る冬の香り、外気の冷たさ。
その中で感じる…彼の匂いと温かさが…"二人きり"であることを実感させて、血流量を上げる。
なんであの時よりも、こんなにどきどきして……。
「…邪魔なんかじゃないですよ、結局昨日だって、ぎゅってしてその後は大人しく見守っててくれたじゃないですか。」
「…えへへ…」
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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…!ありがとう…!ほっこりしてくれたならよかった…!でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねww応援本当にありがとう! (2016年10月22日 21時) (レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜!!人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ!!ゆっくりで良いから頑張ってね! (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”!さきさん!!どんぴしゃですね!!笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…!本当にありがとうございます!共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω\)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…! (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます!これからも頑張ってください! (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2016年9月19日 20時