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君の日常 [カラ松] ページ29

「無理ならギブアップと言うんだァ。さっきのチベットスナギツネみたいな目線はいただけなァい。」
「んんっ…」
「さあさあ、Aちゃ……」
「ごめ…なさっ…、私っ、は…ァっ、しぬ…っ」
「…ん"ッ……ぶごはぁ!//」
「ちょっと!!!!何で急に鼻血出されたんですかぁ…!しんどいよー!!」

*****

ああ、腹筋か?やめだやめだ、あんな俺のパトスを持ち上げるだけの恐ろしい競技。
ああいうのは暇潰しにちょうど良いんだ、好きな女の子のあられもない姿を見て妄想するためにあるんじゃない。最低か俺は。

かといっていつも通りにしようとしても、彼女の前では思い付かなかった。
そもそも俺は日頃何をしているんだったか?

…カラ松ガールを迎えにいく?
いや。目の前の彼女がいるのにそれをするのは、労働と同じくらい不毛だ。

「…。」
「…。」
「…ええっと。」

ええっと、なんて言葉が漏れる。何か、話題。俺が…興味があること。
辺りを見渡したが興味のあるものなんて…

「そういえば、昨日は何を見ていたんですか?」
「えっ?」
「就寝間際、何か見ていませんでした?」
「あ、ああ…」

そうか、それがあったか。
でも思いっきり"文系"アイテムなんだが、がっつり"理系"の彼女にとっての価値はあるんだろうか。
そんな不安を感じながら、押し入れに近づく。
いやいや、俺。
こんなもの見せるよりも外に出てあげた方がいいんじゃないか…?

…ガラ…

「部活で使っていた台本なんだ。」
「演劇部のですか…!」

くた、となっていた彼女が姿勢を起こす。
「…//」
それだけで、なんだか嬉しい感じがしたが…。

「外に出ないか?Aちゃん。」
「えっ?外ですか?」
「ああ。」

台本を片手には持ったけれどつい、気恥ずかしさで外出を誘ってしまった。
彼女は断る理由がなければ、基本ついてきてくれそうな気もして。


*****

当てがあるのかな?と思ったが、どうやら彼はノープランで出てきたらしかった。
目の前で揺れる可愛いドクロマークを見据え、とことこと彼の後ろについて行く。

彼はいつぞやの公園の橋に立ったりするけれど、なにかをしたいというわけじゃない、と言う。

「…。」

松野家でどうやら困らせてしまったか。なんて反省している
今日は何もしたくない気分だったのかもしれない。

「――そうだ。」
「ん?」

カラ松さんが一瞬立ち止まり、方向を変えた。
どこへ行くんだろう…?


***

【赤塚劇場】

の大きな看板。そして小さな入り口。

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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…!ありがとう…!ほっこりしてくれたならよかった…!でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねww応援本当にありがとう! (2016年10月22日 21時) (レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜!!人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ!!ゆっくりで良いから頑張ってね! (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”!さきさん!!どんぴしゃですね!!笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…!本当にありがとうございます!共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω\)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…! (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます!これからも頑張ってください! (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2016年9月19日 20時

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