微睡み [カラ松] ページ27
彼からの貴重な挨拶。
「やっぱ、なんていうか俺…一度仲良くなっとかないと通常会話とかムリで…」
「……。」
仲良くなるまでが大変なタイプ。
なんだか解る気がする。
「ふふ、私も『心の壁分厚いねー』って、よく言われるんです。」
「はっw…っぽいわー、ぽい。」
「そこは嘘でも"そんな事ないよ"くらい言いましょうよ。」
「女子と話したい訳じゃねーんだろ?」
私が自分を出すことが億劫な事なんて、彼は百も承知だ。
「ゆっくりでいいんじゃない。」
気だるげに笑う彼に、
「…ん。」
そっと笑い返した。
*****
─おお、ロミオ!ロミオ!あなたはどうしてロミオなの?お父様と縁を切り、その名を捨てて。─
─それが無理なら、せめて…せめて私を愛すると誓って。そうすれば、私はキャピュレットの名を捨てましょう。─
─私の敵はあなたの"名前"。モンタギューでなくても、あなたはあなた。─
─名前がなんだというの?バラと呼ばれるあの花は、ほかの名前で呼ぼうとも、甘い香りは変わらない。─
─ロミオ、どうかその名を捨てて…。─
─ええ、お言葉通りに。…恋人と呼んでください、それがぼくの新たな名前。これからはもうロミオではない。─
*****
……。
「……フッ。捨ててしまったのかと思ってたんだが…。」
「かぁらぁまぁつー!!もう寝るぞー!!消すぞー!」
「カラ松兄さんはやくー。」
「…カラ松さん?」
後ろから声をかけられる。
夕飯を食べた後、マミーの願いで押入れをあら捜ししていたんだが…。頼まれたものとは別に、これも見つけることができたとは。
「いや、なんでもないぜ。フッ…夜に物を探す俺ェ…闇に紛れたその計り知れない美し」
「消すよー。」
「…えっ。」
まあ、明日見直…
いや待てよ、明日はやめておこうか。
それ以降、機会があれば見直してみてもいい。
******
おそ松さんもそうだが、カラ松さんもビックリするほど動かなかった
否。
まだおそ松さんの方が。漫画を読んだり、きゃっきゃと笑ったり、動いていたかもしれない。
カラ松さんが"どう"動かないかって、それはもう……
彼はずーーーっと、鏡を見ている。
座って、ちゃぶ台に向かい、微動だにしないこと20分。
気を使って"外にでも行こうか"と言った彼に、日頃しているように過ごしてと言えば……こうなった。
無の境地。無の世界。むしろ瞑想。そんなレベルの静寂が訪れるとは想わなかった私としては驚きで。
「……。」
「……。」
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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…!ありがとう…!ほっこりしてくれたならよかった…!でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねww応援本当にありがとう! (2016年10月22日 21時) (レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜!!人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ!!ゆっくりで良いから頑張ってね! (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”!さきさん!!どんぴしゃですね!!笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…!本当にありがとうございます!共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω\)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…! (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます!これからも頑張ってください! (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2016年9月19日 20時