１０【おそ松さん】一卵性六つ子と処方箋10【逆ハー気味】

interlude~彼氏疑惑~ [チョロ松] ページ19

カラ松が何かを思い付いたように口走ったけど、周りの連中はとっくにパニック状態だ。

「もしかするとAちゃんのご家ぞ…」
「カラ松兄さんは黙ってて！！！」
「えっ。」

「いや、聞いて損はないぜブラザ」
「ドゥーン！！！」
「ごはっ…！ノンノン十四マァァァァツ！？今はボディーブローする時間じゃなぁぁ〜い…！」

完全に十四松には遊ばれてんな、アレ。

「話聞くけど？カラ松。」
「ちょ、チョロ松…！」

あーあー、涙目で。
でも十四松を小脇に、カラ松はこちらに真剣に向き直った。
…ゴリラかよコイツ。

「いや。つまりな、Aちゃんは家族に電話していたんじゃないか？…って言いたい。 家族になら飯の心配もするだろ。実家は県外だって言ってたし…久しく会ってないんじゃないか？」
「……。」

あ、ほんとだ。

「「「「なるほど！！！」」」」

そう声を揃えた時。



ｶﾞﾗ…



「戻りました。」
Aちゃんが帰って来た。

『Aちゃん！！！』
僕ら六人が一斉に近づくから、Aちゃんの肩が小さく跳ねる。
息を飲んで僕たちを見る表情とか……やっぱり可愛い。


「……。」


こいつらって…どこまで本気(・・・・・・)なんだろう…。


ｷﾞｭ…

わっと群がる兄弟を見て、無意識に拳を握っていた。

僕は、…冗談なんかじゃない。


「っ…Aちゃんっ！あのさ！今の電話の相手って彼氏！？ってか彼氏いる！！？」
戻って来たばかりの彼女に長男がツッコむ。
って待て待て待て待て！！

「うぉい！！！ノリと勢いに任せて訊きすぎだろ！！！」
「ええっ！気になるもん、しょーがなくね！？」

うっ、確かに気になるかならないかと言えばすごくすごく気になるけど…！
にしたってテンションだけのがさつ人間ここに極まれりだろ。
こんな質問に耐性あるのかと思いながらAちゃんを見れば…

…はにかんで微笑んでいた。
ああ、やばい。
Aちゃんのはにかみ笑顔は…卑怯だ。

「ああ、実家の弟ですよ。」
「ええっ！？弟ォ！？」

おそ松は自然体のまま、人から情報を聞くのがうまい。ほっとした僕たちも話に耳を傾けた。

「弟って、あの話に出てきた？」

問いかけにAちゃんはそっと頷く。
確か、彼女が"強く抑制してしまった"と言っていた弟だ。
取っ組み合いになった事もあるって言ってたっけ。

僕ならこんなか弱い姉に…いや、勝手だな。

「ええ。でも心配してかけてきてくれた様で、楽しく話せて…。」

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