君の日常2 [トド松] ページ16
終了宣言したかと思うと、竿をもとの場所に戻してこちらに走りよってくれた。
優しく手を捕まれる。
「…!///」
「次いこっ。ジムはAちゃん死んじゃいそうだからスポーツ広場ね!」
「えっ!?う、あ、はい!!」
ジムとスポーツ広場の違いすら微妙な私は、彼に手を引かれるまま、釣り堀を後にした。
****
「ごめん…まさかあんっっっっなに出来な……いや、ってか大丈夫?バドミントンの後半、剣(ラケット)を支えに立ち上がろうとする騎士みたいになってたけど、ポーズ。」
「すみません……」
最後の方は楽しめたが序盤はラリーを繋ぐのにも一苦労だった。
ラリー楽しくなってきた!と思ったらスタミナ切れ。
結局こうして、トド松さんとカフェに落ち着く。
「ふふっ、いーよっ。最後の方は…なんか上手くなってたよね?」
「トド松さんが"下手くそに合わせる"事が上手になったんじゃ…。」
「言うよねー。そーゆーところ嫌いじゃないけど?」
「…。//」
机に肘をつき、紅潮しているであろう頬を手で隠す。
思えば、冬に出会って、再会したときもカフェだった。
トド松さんとカフェにいられることに、私は多分、安らぎを感じている。
『お飲み物です。カフェモカは…』
「あ、こっちでーす。」
店員さんが飲み物を置いた。
…しばらく店内のBGMにも癒されつつ、乾いた喉をストレートティで潤す。
「さっき考えてたんだけどさ。」
「ん?」
モカをかき混ぜつつ、トド松さんがぽつりと零す。
「Aちゃんがおね…お姉ちゃんって…どんな感じだろうって。ほら、僕んとこ兄弟構成全員野郎だし。尊敬できる兄なんていないし。なかなか想像できなかったんだけど…、さっきはああ言ったけど、…なんだかんだで嬉しいのかなって。」
「トド松さん…バドミントン中になんて器用な…」
「いやふっつーに考えて”歩いてる途中かな”くらいは思いついてほしかったよね!?笑」
「あはは」
「今こうして遊んでいられる関係だから言うんだからねっ。」
「ですね。」
自分の過去を振り返れば。
"親の死"をきっかけに兄弟に対して威圧的に振る舞ってきた人生だった。
―― 親ってか!!?あ”あ!?ぶっ殺してやる!!!――
―― 殺すなら殺しなさいよ!!――
「…ありがとう。」
「え?」
「気持ちが嬉しい。良いお姉ちゃんになれる気は、全っ然しないけど。笑」
「…。ね、Aちゃん、ちょっと…出よっか。」
まただ。
優しく手をつかまれ、そのまま店を出た。
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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…!ありがとう…!ほっこりしてくれたならよかった…!でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねww応援本当にありがとう! (2016年10月22日 21時) (レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜!!人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ!!ゆっくりで良いから頑張ってね! (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”!さきさん!!どんぴしゃですね!!笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…!本当にありがとうございます!共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω\)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…! (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます!これからも頑張ってください! (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2016年9月19日 20時