迎えに行く6 [六つ子] ページ11
こちらの心配もなんのその、おそ松さんは鼻の下に指の背を当て、「そぉ?」と笑う。
「パーカーってけっこー温かいよ?」
「風邪ひきます…!」
「天才は風邪ひかないらしいぜ?」
「それ"馬鹿"は風邪ひかないです!!」
「じゃーちょうど良かった!俺よく"馬鹿"って言われんだ。」
「なっ……」
自虐に帰結され言葉を失う。
この状態、私ができることと言えば……
「…えっ!!?えっ!!?マジ!!?/// わぁーっ、迎えに来るもんだね。」
自分のマフラーを彼の首にかけることくらいだった。
「あの…おそ松さん……」
「んー?」
照れくさい。
でも彼は無理強いせずに、言葉を待ってくれている。
もう遅い時間だから、帰るといっても途中までになるだろうけど…
「迎えに来てくれて…ありが」
「…//」
「「「「「 いたーーーーーーーーーーーーーー!! 」」」」」」
目の前の彼が腕を前に出して背中を折る。
手短に言えば昭和の「ズコー!!!」みたいな態勢。
その向こうからどやどやと走ってくる影およそ5つ。
誰が来たかなんて、余裕でわかってしまう。
こ、これは…盛大なお迎えだなぁ…!//
「おっまえらなぁ!!!あとほんの2,3秒も待てねーのかよ!!!?」
「あと2,3秒で何する気だったわけ!!?ほんっとそーゆーとこ手ェ早いよね早松兄さん!!!!」
「早松兄さんって何だよ!!!へんなとこひっかけてくんじゃねーよ!!!」
「ぷっふ…」
おそ松さんとトド松さんの会話につい笑ってしまう。
「今の時代スマホ置いてくとかどういう神経してんだよ…。ほら。」
「あっ、わりいチョロ松w」
「…あ?何それ、マフラー?そんなマフラー持ってたっけ?…………お前まさか。」
「へっへーwwいーだろ!!」
「返せ今すぐ!!!馬鹿は風邪ひかないんだから!!」
「はぁー!!!!?絶対やだ!!!!」
「だ、大丈夫ですよっ、チョロ松さんっ。笑」
皆さんが集まると、晩冬の夜は一気に温かみを増すものだ。
「あっは!!
「Oh…コールド…!!」
体脂肪率の少なそうな二人の適切な主張のおかげで、7人でぞろぞろと連れ歩く。
「一松。」
「……はっ?」
並んで歩き始めたと思いきや、チョロ松さんが一松さんを呼び止めた。
「大丈夫?家出てから一言も発してないけど…」
「…えっ、べ、べべ別に、余計なお世話だよ…チョロ松。」
「ここに来てからじゃないよ?家出てからだよ?」
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ちよ(プロフ) - イラさん» イラちゃん…!ありがとう…!ほっこりしてくれたならよかった…!でもこっからは原作ネタの六つ子話とかも入れていく予定だからねww応援本当にありがとう! (2016年10月22日 21時) (レス) id: 7980a9d63a (このIDを非表示/違反報告)
イラ(プロフ) - お久しぶりに来たけど相変わらずほっこリする小説だよ〜!!人の温かみや辛さがひしひし伝わってきたよ!!ゆっくりで良いから頑張ってね! (2016年10月22日 16時) (レス) id: 1dff651d8b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - わあ”!さきさん!!どんぴしゃですね!!笑 現役薬学生さんにコメをいただけるとは…!本当にありがとうございます!共感ほんとありがたいです〜><//(実習はもう終わられたのでしょうか(/ω\)) さきさんの大学生活も心の底から応援しております…! (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - (実際プロタミン聞かれたときに心臓が体外に吹っ飛ぶかと思ったよね…) (2016年10月17日 23時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 私某私立女子大の薬学生なのですごく共感できます!これからも頑張ってください! (2016年10月17日 22時) (レス) id: 1e3e119e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2016年9月19日 20時