しあわせのおと【Daisuke.S】 (ページ17)

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PEACE!! １７ページ17

そりゃ佐久間さんも訳わかんないよね、恋人にこんなふうに突き放されたら。

「じゃあまた明日、会社で。行こう、阿部さん」

私と佐久間さんが呆然としてる間に、目黒くんと阿部さんは連れ立って行ってしまった。

ギギギ、と佐久間さんの方を向けば、まだ頬が蒸気したままの佐久間さんが苦笑してる。

「オレらも行こっか。送るよ」

「あ・・・」

『送るって言ったらうんて言え』

目黒くんのメッセージが頭に浮かぶ。

いいのかな・・・

「ありがとう、ございます」

歩き出したら少しぎこちない空気だったけど、佐久間さんが話を振ってくれて、そうしたらおしゃべりが止まらなくなった。どうやら私たちは好きなものが似ているみたいだ。

「電車どっち？」

「１番線の方ですけど・・・佐久間さんは？」

「んー、嫌じゃなかったら最寄りまで送らせて！あのー、ほら、痴漢とか心配だから！！」

アワアワと早口でまくしたてる佐久間さん。

「すみません、遠回りですよね」

「イヤ、全然ヘーキ！もうちょっとさ、Aちゃんと話したいなーとか、思ったし・・・」

えへへ、と照れたように笑う佐久間さん。

優しいなぁ。こんな一介の後輩にそんな気を遣ってもらっちゃって、かえって申し訳ない。

電車は遅れていたせいかかなり混んでいて、佐久間さんは私が押しつぶされないように守ってくれた。

けど。

やばい、すごい密着しちゃってる・・・佐久間さんがいつもつけてる香水の香りが甘くまとわりついてくる。