【D.Gray-man】四十九番目の名前【ラビ】

Story28 ページ30

次の瞬間、その体から耐えかねたように、鋭い岩のような突起がいくつも飛び出した。




コレットが息をのむ。




耳障りな機械音が森の静寂を破り＿＿＿ジェローム氏の皮が剝がれ、AKUMAがその全貌を現した。



ダグ「Lv.2のAKUMAか!」




ダグが思わず叫んだ。




その一言で言うならば、ガラスでできたヤマアラシだ。

四つ足を地面に踏ん張り、今にも飛びかかってきそうなその体全体を半透明の鋭い角柱が覆っている。




月の光を浴び、白銀に輝くその姿は巨大な水晶の原石のようだ。

だが、その姿は美しさではなく、恐怖を喚起させた。



コレット「だ、旦那様が・・・」




コレットが震える声でつぶやいた。




人の皮を脱ぎ捨てその正体を現したAKUMAを、ダグはじっと見つめた。




その凶悪な姿にはいつ見ても、怖気が走る。

人と悲劇を生け贄として造られる、おぞましき悪性兵器＿＿＿＿。




目の前のAKUMAに圧倒されながらも、ダグはガサッという小さな音を聞き逃さなかった。




鋭く音のしたほうに目をやると、一人の男がよろよろと廃園に入ってくるのが見えた。




大柄な体を粗末な衣服に包んだその姿に見覚えがあった。

先ほど道に立ちふさがった男たちの一人だ。

額から血が流れている。

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