prologue ページ1
黄色い花弁が目に映る。
それはまるであなたのような主張の強い色だけれど、晴れた日も、雨の日も、絶えることのない優しい輝き。
あなたは、皆にも元気を分けられる程活発で、どんな困難無理難題でも快活に乗り越えていってしまう。
黄色はよく、富の色に例えられるけれど、あなたは自分が裕福でも、周りが貧しくては落ち着かないような世話焼きな一面も持っています。あなたの心には、お金で手に入れることのできぬ豊かな感情が詰まっています。
そんな優しいあなたも、譲れぬことはあります。守るべきもの、守りたいものを傷つけられぬよう、日々切磋琢磨、武芸に励む姿に、やはり活力が湧いてきます。
あなたは私たちの道標。暗い夜道を先導する灯篭のよう。
あなたの炎は時に熱く悪を滅する業火に変わる。でも、私はそれよりもずっと、他者を温め、照らす慈悲の心を知っています。
それはまるで、いつかの不動明王様のようでございますね。
まだ私たちが年端もいかなかった頃、あなたはその様になりたいと申されました。
あなたは、揺るがない。
己の信ずる道を突き進む。
その道に障害があれば取り除く。例えそれがどんなものであったとしても。
あなたは強くなられた。
もう、私のような存在は必要ありません。
ですが、私はこれからもあなたの側におります。
あなたの統べる天下を拝むことが、今から楽しみでなりません。
あなたの右目は小十郎様。もう、あなたに欠けているものはありません。
戦場で先陣を切って戦う姿に一度は肝を冷やしましたが、同時に頼もしくも感じられました。
つい、長くなってしまいました。
この花の名は菜の花。
私の気持ちです。
菜の花の花言葉は、政宗様にぴったりでございますね。
中には快活な愛という花言葉もあるようですが、こればかりは…
政宗様には、そのような女子はおりますか？
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作者名：茶々丸 | 作成日時：2016年1月17日 14時
