... ページ36
まさかこんなことになるとは…
今自分は夢を見ているんじゃないか?と疑ってしまう。空いている右手で頬をつねってみるが、
『痛い…』
「何してんだよ笑」
『だぁってぇ……』
そう、遡ること約10分前のこと。
好きな人からの爆弾発言をされた。
『えっ、待って?私、好きだよって言ってるじゃん!好きな人を家に上がらせちゃあ何されるか分からないよ?大丈夫?ダメじゃんもっと危機感持たなきゃ!』
「それAちゃんが言うんだ…笑」
何か野次が聞こえるけどこの際は仕方ない。私は今怒っているのだ!
優しいにも程があるだろう!?こうやってホイホイ他人を上げてしまうのかこうちゃんは!
「良いから帰るよ。Aは黙ってついてくればいいの」
『えっ』
「わーお、こうちゃん言うねぇー」
何か聞こえたけど聞こえない。()
だって、私調べ・好きな人から一度は言われたい夢のセリフランキング、第4位の言葉だよこれ!?
そんなこと言われちゃったら、黙ってついていくしかないでしょう?
「じゃあねー」
「またねー」
福良さんや伊沢さんに見送られたが、ずっと固まっていた。ちゃんと挨拶して帰れなかったのが悔しい。礼儀のない人だと思われた。絶対。
そして、今に至る。
『明日には絶対家探すからちゃんとホテルの手続きしとく!』
「いいよそんなのしなくて」
『何で!』
「Aは逆に俺の家嫌なの?」
『う…』
そんなうるうるとした目で見ないでよ…こうちゃんのその美しすぎるダイヤモンドみたいな瞳にずっと私が映りたいって思っていたけど、まさか今とは思わなかった。
『嫌なわけないよ…?』
「じゃあいいじゃん」
自分でも思ったよりか細い声しか出なくて驚いた。
絶対聞こえないはずなのに、それをちゃんと聞き取ってくれるあたり、こうちゃんだな、と胸が痛くなった。
でも、こうちゃんは本当にズルいと思う。私がこんなにも思いを伝えているのに、すべてはぐらかされる。
ずっと変わらず優しくしてくれるから、いつもいつも期待しては裏切られ。を繰り返している。
「着いた…A?え、ちょ、」
『あれ、何でだろう、涙が止まらないや』
ボロボロと泣き出す私に分かりやすく慌てるこうちゃん。
とりあえず入って、とこうちゃんの家に入るとすぐに視界が暗くなった。
『こう、ちゃん…?』
「ごめん、泣かせるつもりはなかった」
抱きしめられていると気づくのには少し遅かった。
292人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか(プロフ) - 初コメ失礼します。トクベツといい、身長差のない恋人といい、自分の推しの話が自担グループである嵐の曲でとてもテンションが上がりました!話も面白いですので、読んでいて楽しいです! (2021年2月17日 0時) (レス) id: 9ed625666a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 月夜星さん» ありがとうございます!曲の良さを消してしまわないように気を付けながら書いておりますので、そう言ってくださると嬉しいです! (2020年4月22日 17時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
月夜星(プロフ) - こんにちは!青空が違う!!めっちゃ好きな曲で、好きなQ.K.さんたちのお話で!めっちゃ楽しいです!これからも頑張ってください! (2020年4月21日 16時) (レス) id: 5e0ae6c178 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 望さん» そうです!好きな人たちのコラボって嬉しいですよね。つい勝手に作ってしまいました!笑 (2020年4月17日 22時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
望 - これ欅坂や日向坂の曲ですよね?好きな人が好きな曲で…読んでいて楽しいです^^* (2020年4月16日 8時) (レス) id: 2bba6c15ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:
作成日時:2019年9月8日 14時