８．「内緒話するから」 ページ8
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席替えをした後の席は運よく窓際の席だったけど、
ジェミンともロンジュンとも遠くなってしまい授業中が退屈で仕方がない。
担任のテヨン先生が受け持つ生物の授業はつまらないわけではないけど、
春のぽかぽかした陽気で眠くならない人がいるのならその秘訣を教えてほしい。
ただでさえ最近寝不足なんだから少しくらいは許してくれるだろう。
テヨン先生の優しく響く声を聞きながらうとうと意識を遠くに飛ばしていると、
チャイムの音がして教室内が騒がしくなる。
体をぐーと伸ばすと背骨のほうから小さくぽきぽきと聞こえた。
RJ「お前寝すぎ」
『ちょっとうとうとしてただけだもん』
RJ「いや、ずっと寝てた」
JM「ロンジュナ、そんなにずっとAのこと見てたの？」
『え〜ロンちゃん私のこと好きなの？』
RJ「……」
『ろ、ロンジュナ、冗談だから拳はしまって！』
JM「A、良く寝れた？」
『うん！ぐっすり』
RJ「やっぱり寝てんじゃねえかよ」
『えへへ』
誤魔化すように笑ってみれば、
ロンジュンからは頬を抓られジェミンは私の頭を撫でる。
ドンちゃんがいない一年なんて…と思っていたけれど、
この二人が同じクラスなのはすごく楽しい。
たまにドンちゃんが教科書を借りに来たり話しかけに来ても、不自然にならないように間に入ってくれる。
まだドンちゃんのことを考えない日はないし、
考えるだけで胸はズキズキと痛む。
それでもその頻度も少しずつ減ったように思う。
TY「あ、日直、昼休みに課題集めて生物準備室に持ってきて」
『今日天気いいから中庭でごはん食べたいな〜』
RJ「いや、A日直でしょ」
『え？！違うよ』
JM「Aだよ」
『ほんとに？』
JM「一緒に行こうか？」
『ううん、平気。ついでにテヨン先生と内緒話するから今日は三人でごはん食べて』
RJ「内緒話って？」
『内緒だから内緒話って言うんだよ、ロンちゃん』
RJ「うぜえし、ロンちゃんって呼ぶな」
「本当に大丈夫？一人で行けるの？迷子にならない？」
と纏わりついてくるジェミンに
「子供じゃない！」と引き剝がすと不満そうな顔をされた。
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作者名：ロク | 作成日時：2022年5月8日 2時
