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硬貨5枚 ページ6

ルーク「っと…惜しいけれどもう行かなくては。」


『何か予定があるの?』




いつの間にか敬語を外したA。
怒らなそうだしいっか、という軽い動機。特別な感情などはない。




ルーク「そろそろ夕食の時間だ」




ルークを引き留めたって得はない。



すっと体を離して膝から降りると、ルークは懐から封筒を取り出した。
手紙を入れるような、ラベンダー色の封筒。ほのかに花の香りがする。
それに、丁寧に蜜蝋で封までされていた。




『…うぇっ、何何』


ルーク「しばらく相手をしてもらったからね」


『いや意味がわからないんですけど〜…』


ルーク「私はキミの時間を買ったのさ」




優しく微笑んで、薄い封筒をAの手に握らせた。



もらえるものは貰っておくが、ルークの考えがAには全く理解ができなかった。
軽く話しただけで金銭のやり取りをする意味がわからない。そもそも自分はそういうつもりで話していたわけじゃない。



いや、カモになるのかなぁと思ってた節はあったが受け取る願望はこれっぽっちもなかったのだ。




ルーク「それじゃあ、また何処かで。ムシュー・ミツバチ」




最後に髪を軽く撫でて去っていった。



何だったんだあの人は…何でミツバチ……?永遠と湧き出てくる疑問が脳内を占め、考えるのをやめた。
好奇心で封筒を開けると、マドル札が数枚入っていた。




『んーと…10000が…6!?1時間も経ってないのに60000ッ!?』




"富豪かよ…"と小さく呟く。



先程相手をした人と同額どころか、ルークの支払った金額の方がはるかに高かった。




自分が設定した金額は、避妊具有りで1回30000マドル、各オプションは4000マドル〜となっている。
つまり、2回分。2回分の金額をあの少しの会話で溶かしたのだ。



そもそも10000マドル札を何枚も持っている生徒は少ないというのに、躊躇うことなくルークは差し出した。




『………ヒャハハ、絶対僕のこと大好きじゃん!』




理解不能だが、使えるものは使わないと。



封筒を懐に入れる。機嫌を表すように尻尾が揺れた。
こんなに"お小遣い"が弾むのは成人相手くらい。




『次もお待ちしてまぁす、狩人サマ♡』




Aの陽気な笑い声が、廊下に小さく木霊した。

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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです!!ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています!頑張ってください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく読んでいて楽しい作品でした!またどこかで貴方様の作品に出会えますように(^ν^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください!応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます!お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか? (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高! (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年8月2日 13時

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