硬貨26枚 ページ27
『狩人サマ、今日パルファムでしょ、ヤダ、匂いキッツ』
鼻を押さえてルークの腕から降りる。
向かった先はレオナとラギーの後ろだった。
ルーク「すぐに違いがわかってしまうなんて、本当に鼻が利くようだね」
『人間サマとは造りが違うんですよ〜』
"ね〜"とレオナに同調を求めると喉を鳴らして笑った。
気が済んだのか、くるりと室内を見回す。1枚のタブレットに目が留まった。
『なぁんか堅苦しい雰囲気だと思ったら…寮長会議かぁ。イデア先輩こんにちは!』
イデア「ぇ、あ、ド、ドーモ……」
ラギー「…?いつ知り合ったんスか?」
『この前スマホが不調で相談したんだぁ』
"毒蛇サマもいる〜!"とご満悦な表情。
そんな彼を見つめる視線に、Aは気付かないフリをしてクロウリーに質問を投げた。
『どうして突然呼んだの?僕は何処かの誰かさんと違ってシャンデリア壊してないよ』
クロウリー「壊していたら会議なんてしてませんよ!手紙、見ていないんですか?」
『手紙?僕に?』
縦に頷いたのを確認して思考を巡らせる。
手紙なんて届いたか?少なくとも寮には届いていない。もし届いていたら着替えたときに絶対に気付くはずだ。
じゃあ教室?でもさっき見てきたけどどこにもそんなの無かった。
クロウリーが勘違いしているようには見えない。Aからしたら信用できる男ではないが、嘘はつかないはず。
『届いてないけど…えぇ、それはごめんなさい…遅刻しました?』
クロウリー「えぇ。…ですが会議も長引きましたし、アルメリーくんが故意に無視したようには思えません。お咎めは無しにして差し上げます、私優しいので。」
『が、学園長やさし〜』
お咎め無しなのは普通なんじゃないのか、と思ったが触れたら絶対に面倒なので胸の中にそっとしまっておく。
ルークの罠は学園長のお願いだったのかな?ま、どうでもいいか。
思考を切り替え、本題に移るよう言うと、クロウリーはため息をついた。
クロウリー「この頃、貴方の素行の悪さが目立っています。何やらお金稼ぎをしているとか。…間違いありませんね?」
『間違ってないねぇ。校則に"校内で働いちゃダメ"なんて書いてないもん』
クロウリー「倫理の問題です、ご家庭の事情もわかりますが…」
『えぇ、わかってるなら見逃してくれてもいいじゃん』
不服そうに視線を落とす。
愛くるしいその所作も、クロウリーには何1つ響かなかった。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです!!ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています!頑張ってください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく読んでいて楽しい作品でした!またどこかで貴方様の作品に出会えますように(^ν^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください!応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます!お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか? (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高! (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:諒 | 作成日時:2020年8月2日 13時