【twst】我らがクソ監督生【男主】

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　次第に速度を落とした車が、駐車場に停車する。ちなみに、助手席のシートに肘を置いて、後方を確認するクルーウェルの顔が接近するとかいうドキドキイベントがあったが、スマホは没収されているし、何より監督生は男だったので、一切ドキドキしなかった。思ったのは、明日の昼飯の時の話題のネタくらいにはなるかな程度の事である。


　シートベルトを外して、クルーウェルが先に降りる。

「ああ、そうだ。ここでは先生と呼ぶのは厳禁だ」
「…？……。…えっ、なにこれ、ドア開かない…？」


　彼に続き、車から降りようと内側からドアノブをガチャガチャやっても、開かない。なにこれ、チャイルドロック？俺、赤ちゃん扱いされてます？虐めか？
　外側からコンコンと助手席のドアを叩かれ顔を上げると、したり顔のクルーウェルの顔がドアップで見えて、ちょっとイラッとした。なんだこの人。俺の事、めかし込んでるときも思ったが、先生なんだかんだ言ってちょっと楽しんでないか？

　クルーウェルが外側からドアノブに手をかけると、それは何の抵抗もなく開く。

「こういう時は、男がエスコートするものだろう？」

　お手をどうぞ、と手が差し出される。成程、ここではあくまで男女として振舞え、と。
　あまりにも丁寧に接してくれるクルーウェルが物珍しくて、なんだか監督生は少し面白くなってきたなと心の中で思う。



　薄い笑みを浮かべ、上品に微笑んだ監督生は彼の手を取る。

「…よろしく。デイヴィス」
「…！」

　驚いたような顔を浮かべたクルーウェルだったが、その顔にはすぐに意地悪そうな表情が浮かんでいた。


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