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 その直後、食堂にて。
 急にガッと肩を掴まれ、後ろを強制的に振り向かされる。

 つい先日やらかした監督生に話しかけてくるような生徒は、少なくともここ一週間はからっきし居なかったので、また以前のような奇襲か?と思い、頭突きでもかまそうとしたら、顔面を黒い手袋に覆われた掌で掴まれてしまった。
 目の前が何にも見えない。あと、凄い香水のにおいが香る。


「ちょっと、アンタ。オンボロ寮の監督生よね?」
「え…ーと、…ヴィル先輩…?」
「そうよ。何よ、それ虐められでもしたの?」
「そうです、そうなんですよ…うぅ…、ボク可哀想です…」
「信じられないくらい演技が下手くそね。アンタが大人しく虐められるだけのようなタマじゃないでしょう?…それに、レオナのあの生意気な面剥がしてやったらしいじゃない?ふふ、良い気味ね。」

 クスクスと上品に笑う精巧に整った顔立ち。ポムフィオーレ寮長である、ヴィル・シェーンハイトが、そこには立っていた。


 綺麗なグラデーションのアイシャドウに縁どられた切れ長な瞳が細まり、ほんのりと口角の上がった唇が楽しそうに笑う。その美しさは、女性的にも見えるのに、すらりと伸びた長い脚と、それを十分に活かしている高いヒールも相まって、男性的な上品な美しさを醸し出していた。




「オイ、ヴィル。俺は負けてねえぞ」
「一泡吹かされたのは本当みたいじゃない。サバナクロー寮長交代の日も近いかもしれないわね」
「ハッ、次Aに目つけられんのはお前かもしれねェな。そのお綺麗な面、剥がされんのも楽しみにしてるぜ」


 少しばかり遠くから眺めていたレオナが、耐え切れなくなったのか口を挟む。挑発するかのようにヴィルの笑顔が美しく歪む。寮長同士のバチバチとした喧嘩に、見物人のように遠目から生徒達が何人か眺めていた。


「ちょっと、何俺そんな悪役じゃないんですけど。あと、寮長の座興味ねえから。」

 そう言うと、フン、とレオナは鼻を鳴らして去って行く。それを見て、ヴィルはいい気味だわと笑った。


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副村(プロフ) - やまかさん» わー!ほんとだ!!!見返ししていなかったのが仇となりました…。お恥ずかしい限りです。申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。これからもご愛読いただける作品になりますよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします…! (2020年10月11日 2時) (レス) id: f5b1efd963 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - いつも面白いお話をありがとうございます。これからも陰ながら応援させて頂きます。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - はじめまして、いつも拝読させて頂いおります。1つ訂正して頂きたい箇所がありましてコメント致しました。クルーウェル先生の名前の事なのですが、『デイヴィス・クルーウェル』です。『デイヴィル』となっておりますので訂正して頂けると幸いです。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
副村(プロフ) - 星猫さん» 知っているアニメ…!?副村(私)のでしょうか…?最近は殆どですが、数年前はアニメ観まくってましたー笑 (2020年9月30日 2時) (レス) id: 7af6887a6c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 副村さん» 知ってるアニメは何ですか? (2020年9月29日 22時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:副村 | 作成日時:2020年9月23日 22時

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