P−6◆ひとりぼっち、＋3 ページ9
.
「お嬢ちゃん、こんな所に何の用だい？ せっかくの綺麗な顔が埃まみれになっちまうぞ、イーッヒッヒッ！」
「可愛い女の子は驚かせ甲斐がある！」
「さっきの悲鳴も良かったなあ、お嬢ちゃんゴースト仲間にならないかい？」
願い下げでしかない提案をしながら、まるまるとしたゴーストがふわふわと近寄ってくる。他の２体もそれに続いた。
どうしよう、というよりゴーストに魔法攻撃は当たるのだろうか。すり抜けてしまいそうな感じがする。
──いや、まだ危害は加えられていないし、何よりも先にここに住んでいたのは
一方的に攻撃を仕掛けて追い出すというのはどうなんだろう。
「っ、あの！！」
「ん？」
ゴースト達が動きを止める。
声が震え気味になってしまったが、気付かないフリをして続けた。
「皆さんは、ここに住んでらっしゃるんですよね？」
Aのこの問いかけは──というより、問いかけてくること自体ゴースト達にとって完全に予想外だったのだろう。目をぽかんと丸くしてしばし立ちすくんでいた(立ってはいないが)彼ら(声から予想するに恐らく)は、お互いの顔を見てから示し合わせていたかのように同時に頷いた。
「そうなるな〜」
「ここに住んでた奴らは、みーんな俺たちを怖がって出ていっちまったんだ」
「でもそれがどうしたんだ？ ……それに、逃げずに俺たちに話しかけるなんて……怖くないのかい？」
「いえ、あの……私、ここに住みたいんです！！ 秋から！！」
──今度は、ゴースト達が驚愕と困惑に叫び声を上げる番だった。
────
「──というわけで」
「ほぉ〜……」
かくかくしかじかこういうわけで、とAは現在に至るまでの経緯を出来るだけ手短に説明した。
にしても、突如現れたゴーストに今までのあらすじを語って聞かせるというこの状況が異様すぎる。一周回ってAの頭は冷静になってきた。
「にしても
「Aです！ A・クロウリー」
「Aか！ いい名前だ」
「ここも華やかになるなぁ〜」
「本当は、ひとりぼっちで暮らすのが少し寂しかったので……ゴーストさん達がいてくれるの、凄く嬉しいです！」
(い、いい子だ〜〜〜……！！)
周囲の空気さえ華やぐAの笑顔に、ゴースト達の心は早くもがっちり掴まれていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 644人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒメアミ(プロフ) - もちうさぎさん» お話が進んだりユニーク魔法とかがお披露目になったりすると多分速攻でバレる(？)と思うんですけど、一応某塔の上のプリンセスを元ネタにしてます……！😌 (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ - 夢主ちゃんのモデルって誰ですか！ (2023年4月9日 5時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ゆあさん» マジですか何よりでございますわ！！🥰彼にはただのマブで終わらず頑張ってほしいですね(誰目線？) (2023年4月7日 17時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - もう今回も最高でございましたわ！エースと仲良くなっちゃって！そのままくっつけー！！という願望 (2023年4月6日 22時) (レス) @page20 id: ce509c1850 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ゆあさん» コメントありがとうございます！！ 続け方には気を付けてるのでそう言っていただけて何よりです〜〜😭 頑張ります！！💪🏻 (2023年4月4日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
