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思わぬ来客 ページ12

ぴぴ、という音に目を開ける。如何やら扉のロックが解除されたらしい。


机に突っ伏して仮眠を取っていた私は何事だ、と上体を起こす。
侵入者だろうか。違うのならば、こんな時間に訪問してくる莫迦者は一人だろう。





「…こんばんは。」

控えめにそう言った彼。彼女の顔からすっと表情が抜け落ちる。冤罪だった、ごめん。と包帯野郎には内心謝った。



「……今何時だと思ってるの?」

深夜2時を指す電波時計を指差しながら尋ねれば、丸眼鏡が特徴的な彼は下げていた視線を更にふい、と逸らした。







「その、雨が中々止まなくて…」


「……徒歩で来たわけ無いでしょ…全く。こんなに遅い時間なんだから電車は勿論の事、タクシーだって予約が無いと捕まれられない。…安吾、今日は車かな?」

正論を返せば、彼は自嘲気味に笑った。



「お見通しですね。でも、貴女は一つだけ見落としをしていますよ。」


…なんなんだ一体。そんな不満が脳裏に浮かぶも、売られた喧嘩は言い値で買わねば参謀の名が廃るだろう。
試しに彼をじっと見つめる。






「…あ、今日の眼鏡はスペアのやつだね。」


そう言えば、彼はきょとんとした顔をした後、今度はとても綺麗に笑った。笑顔の採点では、私の答えが何点だったのか、ちっとも分からない。
それでも。こんなに綺麗な笑顔が見れたのだから、悪い答えでは無かったと信じたかった。




可笑しな彼に、肩を竦めて溜め息を一つ。


「なに?もしかして此れ、(よば)いなの?うわあ、ごめんね。寝てた方が良いかな?」

「……はい!?」


「ふふ、冗談。私も結構眠いんだよ。それに、婚いは婚いでも、もし安吾がするとしたら求婚の意味の方だろうし?」




へらへらと冗談を零していれば、彼は何も言わずにその場に(ひざまず)いた。

そして返事の代わりに、私に小さな箱を差し出す。これには流石の私も絶句である。



え。冗談、だよね…?

安吾がゆっくりと焦らす様に箱を開く。中に入っていたのは……









「…ピアス。」

中に入っていたのは、宝石が散りばめられた豪華な婚約指輪。…なんて物では無く、ダイヤモンドのついたシルバーの上品なピアスだった。色々と言いたい事はあるが、一番はこれだ。



突然如何した。
酔ってるの?本当に君大丈夫か?

贈り物には、サプライズが付き物→←幽霊の持つ銃



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ゆー - 初見です!すごくおもしろいです!!!更新頑張ってください!待ってます! (2018年5月17日 12時) (レス) id: bf6bf64614 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 碧さん» コメントと優しいお言葉をありがとうございます…!更新再開させて頂きました。良ければまた読んで頂けると嬉しいです…! (2017年12月11日 18時) (レス) id: 15f8ca2f69 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも楽しく読ませていただいています。ゆっくりでも全然大丈夫ですから、体調に気をつけて頑張ってください!応援しています! (2017年11月27日 18時) (レス) id: 16d028813b (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - 天衣失格さん» ありがとうございます…その様にお褒め頂き恐縮です……!これからもこの小説をどうぞ宜しくお願い致します! (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)
じゅき(プロフ) - マイさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さっているのですか……!更新頑張りますね! (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1989906b38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゅき | 作成日時:2017年11月12日 21時

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