円転逸脱編-第三話- ページ29
○Seen-Sting operation○
「どうして藤白さんはこの天魅教へ?」
太宰はそのまま会話を続ける。
「どうして?そうだねえ……君達も思わないかい?この世界は生きづらいと」
太宰からの問いに少し笑って、彼が出した答えは哲学的だと言っても論差のない答えだった。
「……どういうふうに?」
ピクリと太宰の眉が動いた。
「君も思い当たる節があるみたいだね。まぁ、じゃなきゃここには来ないか。私は少しでも私達のような人間が生きやすい世界を作りたいと思っているんだよ」
怪しげに笑う男は、嘘などついておらず、心の底からそう思っているのだと理解した。故に、危険だとも感じる。
「なんだい、ハッキリしないねぇ」
与謝野は、やや口元を引き攣らせながらも言葉を紡ぐ。
「まぁ、こう語るのは少し恥ずかしいからね。特に、あの
照れたように彼は頬を掻いた。そこへ、ふうんとつまらなさそうにため息を漏らす音が現れた。
「厨ニ病拗らせたようにこの間喋っていたよね?上だけ?私がこの間、あほらしって言ったから?あ、なら、私はただ壊したいだけだよ、この腐った世界を」
足音も気配もなく、声が突如として聞こえたので五者は驚いた。太宰ですら少し眼を見開いている。その主は、藤白ほどの長さはないが、黒髪を後ろで乱雑に束ねており、トレンチコートに黒色と青いリボンのセーラー服といった奇抜な服装だった。
「どこかで聞いたことあるようなセリフだなぁ」
碧海の言葉に反応したのか、その少女は五者総員を見つめる。そして、ニヤリと笑った。
「新規入信者みたいだね。はじめまして、
にっこりと笑って、諏訪は片手を差し出した。よろしくねと、笑った。
「中には本尊の奇跡を見たっていう───信者もいるから、聞いてみるといい。とてもいい、話を聞けるはずだよ。揖夜くん、誰だったけ?」
横に立つ藤白を、彼女は見上げて首を傾げた。その瞳は、本気で覚えていないと言った様子であり、そんな彼を見て藤白は苦笑いを浮かべて、肩を竦めた。
「いい加減信者の名前を覚えようか、イズ。小野さん達だよ。まぁ、もうすぐだから見なくとも──いや、連れてきてあげようか?頼め……いや、私が行こう。ここを頼むよ」
もうすぐといった、なにかを含んでいるような言い方をしたが、彼女の肩を叩いて、藤白は離れていく。
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黒井蜜柑(プロフ) - 藤猫さん» おっとwwww筋肉痛になるくらいは嬉しい発言ですね(?)!必ず更新いたしますので、もうしばらくお持ちください! (2022年8月27日 17時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
藤猫 - とても面白い物語ですね!!!!!!!!!ずっと笑ってて次の日腹筋の筋肉痛になりましたww本編もリクも楽しみにして待ってます!!!!!頑張ってください!!!!!!! (2022年8月26日 19時) (レス) @page37 id: 8264cf3ee7 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» いえ、こちらこそリクありがとう御座います。まだまだリクを解決できていないところもありますし、順次していけたらと思っています。リク来たら滅茶苦茶嬉しいので全然大丈夫です。どうクリアするかは二の次です。( ′-′ )こちらこそ、本当にありがとう御座いました。 (2021年2月18日 22時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 書き忘れてたのですが((でっぷる編本当にありがとうございました!!お疲れ様です!!面白かったです!!!ありがとうございました!わざわざリク受け付けてくださって…。感謝しかないです!!書き忘れて本当に申し訳無いです…。これからも本編も楽しんで読みます! (2021年2月18日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとう御座います。中編(笑)事態、書き上げてしまっているので、毎日更新していけたらと思っています。Twitter風会話文次第ですがw、 (2021年2月18日 21時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時:2021年2月18日 21時