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左のポケットにいつも入っていた手紙。
いや、手紙というほどの内容ではなく、
ノートを破って、好き、とだけ書いたメモの様なもの。
『わぁ、3月なのにまだ降るんだ？』
RJ『転ばないでね。』
彼女がブーツからスニーカーに履き替えた数日後、
3月のソウルに雪が降った。
朝は暖かかったのに、帰りにはうっすら積もっていて
それなのにちょっとはしゃいで走り出そうとするから
繋いでいた手をいつもよりも強く握って、
それと比例して左手にも力が入っていたのか
中にあったその手紙も小さくなっていた。
『NCTU、選ばれなかったね』
RJ『ドンヒョクも悔しがってたよ』
誰もが、Aは選ばれると思っていた。
ドンヒョクは自分が選ばれなかったことよりも
Aのことですごく悔しがってたんだから。
『マークがどんどん先に行っちゃう。』
俺、少し不安だったんだ。Aがもしかしたら、
俺じゃなくてマクヒョンが好きなのかもしれないって
『先にデビューしたら、ご飯奢ってもらおうか笑』
RJ『火鍋食べに行く？』
『いいね笑』
でもさ、と脈略なく話を続けるAは
『私、NCT DREAMだけでよかったよ。
ずっとロンジュンといられるなら安心するし』
そんなことを言うからまた期待して
マフラーで隠れた口元が緩まったのは言うまでもなく、
『ロンジュンと一緒なら、乗り越えられると思うんだ、最近すごく、』
自分でも驚いたよ。
『ロンジュン？……どうした？寒い？』
気がついたらAを抱きしめててさ、
自分の白い息が彼女の髪にかかって、
彼女が話すと胸の辺りが彼女の息で温かくなるんだ。
RJ『お、俺も。』
『え？何？』
RJ『俺も、Aとなら、辛くても乗り越えられると思う。』
バスが来るまでの時間が、それまでで1番長く感じられた。
まるで俺とAの空間だけ時間が止まったみたいに。
:006. My First and Last→←:005. Take My Breath
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玄兎(プロフ) - 奈胡（元jen）（読み垢です）さん» こんばんわコメントありがとうございます！私も泣きながら描いた箇所があります…🫣嬉しいです！今後の励みになりました！ (5月15日 1時) (
レス) id: 3e814a21c2 (このIDを非表示/違反報告)
奈胡（元jen）（読み垢です）(プロフ) - こんばんは 泣きながら読んでいます…みんなキラキラしてる 玄兎さん素敵です (5月15日 1時) (レス) @page21 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玄兎
| 作成日時：2023年2月18日 8時
