歌い手がヤンデレ

そらるがヤンデレ ページ25

そらるの視点



Aが暴れるのでどうしたものかと思ったが、ただ単純に痕をつけられるのが嫌らしく。

わざと首元に痕をつけたのに、まだ抵抗している。


それが、逆に煽るってしらねぇのかな。


「どう？まふより、俺の方が良かったでしょ？」

自信たっぷりで、Aがうんと頷くのを待っていた。

……が

「なわけあるか。痛いだけだよ、離せ」


想像とはかけ離れた答えが返ってきて。

少しイラっとしたり。


力任せでも言う事聞かないなら……。


「じゃあ、しょうがない」

ふっと抱きしめていた力を緩めた。

それだけでも、Aの顔はほっとしていて。

俺じゃ嫌なのかよ、なんて嫌な感情がむくむくと出てきた。

だから離して、油断しきっているAの指に噛み付いた。


それは、左の薬指に。


勿論Aは、嫌だ、離せ、なんて言っていたが、俺は聞く耳持たず。

強く吸い付いて、遠くから見てもはっきり見えるだろう。

その痕はまるで、俺の物と示しているみたいで。


「綺麗。あぁ…これって指輪みたい」

なんて冗談のつもりで言ったのに、Aは慌てていた。

そんなに嫌かよ。

俺のって印。


凄く苛々して、それと同時に俺の印もっとつけてやろう、と思い。

遂には、Aの服に手をかけていた。

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