期間限定のキミと 01

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仮にジョングク先輩を好きになって

付き合ったとしても振られるかも知れない

付き合ってみたら想像してたのと違って

私を嫌いになるかも知れない




元彼のように他の女性の方が

良くなってしまうかも知れない




同じ傷は二回も味わいたくない

同じ事でまた涙を流すのも

心を痛めるのもしたくない




私の中でのジョングク先輩は

あくまで頼れる安心出来る

そんな人でいて欲しいけど

ジョングク先輩は違う




信じたいって思ってるけど

それは単なる言い聞かせであって

本当は “ とても怖い ” と思ってる









『なんか…そんな事言われたら益々好きになる』



「え、」



『1週間じゃなくて仮でもいいからAちゃんの側にずっといたいってワガママな気持ちが出て来る』









振り返ったジョングク先輩は

ニッコリ笑って私の頭を撫でた




ジョングク先輩の手は

とても安心出来た




よく母親が私の頭を撫でながら

ー Aは人に優しい人になるのよ

って言い聞かせてた事を思い出した









『…どうした？』



「…え？」









向き合って横になる

少し距離はあるけれど

ジョングク先輩の体温を感じる




そっと手の甲で頬に触れる









『何か辛い事でも思い出した？』









そう言われてそこで自分が泣いてる事に気付いた

慌てて手で涙を拭い背を向ける









『泣くのは…俺の前だけにしてね？』




「…っ」









そう言うと背中に温もりを感じた

ジョングク先輩の大きな手が

私の背中に触れている









『大丈夫…Aちゃんには俺がいるよ』









背中を丸めて涙を堪える私

ジョングク先輩は優しく諭しながら

背中をさすってくれた




こんなに優しい人を傷付けたくない

こんなに優しい人に嫌われたくない

こんなに優しい人を失いたくない




色んな感情がゴチャゴチャして

私は気が付いたら泣き疲れて

寝入ってしまっていた









ー 翌朝




ゆっくり目を開けると

部屋は明るくて思わず目を細めた



散々泣いたせいか

目元が微かに重たく感じた




ゆっくり体を起こすと

布団に包まって寝息を立てる

ジョングク先輩がいて

私はホッと胸を撫で下ろした




人を好きになるって何だろう？

愛されるって何だろう？

幸せって何だろう？




ジョングク先輩との短い期間内に

私はそれを知る事が出来るのだろうか？




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