【過去編】２ ページ34
「一月経って音沙汰がない場合も、任務失敗と捉えるわ。A、里の為に大義を果たして。期待してるわよ。」
再び服を着込んで、大蛇丸の前に恭しく跪いたAはそのまま音隠れの里を出た。
「大蛇丸様。今回の作戦、本当にAで大丈夫ですか？」
「なら……貴方、代わりに行ってくれるの？」
Aがその場を離れて直ぐに問いた上忍の一人に、大蛇丸は射るような視線を向ける。
「そ、それは……」
言葉に詰まった彼から視線を外して大蛇丸は続ける。
「別に、失敗したらまた別の子に託すだけの事。それに、多分あの子は失敗しないわ。あの子はもう……失うものが無いのだから。」
冷酷な笑みを浮かべた大蛇丸に、進言した上忍は頭を下げてその場を離れた。
他の上忍も静かに姿を消す。
残された空間で、虚空を見つめた大蛇丸は在りし日の幼い己の姿を思い浮かべながら呟く
「残念ながら……この世は残酷。忍の世に未来なんて……無いわ」
一方で、里を離れたAは大蛇丸に言われた通り北西に向かい一心に足を動かしていた。
三年前までAの世界は穏やかで、変わらない日常を何気なく過ごしていた。
その日常が突如奪われたのは、両親と共に任務に出た里の仲間が持ち帰ったAの両親の血に染まった額当てを目にした時だ。
「すまん……A……お前の両親は、殉職したよ。……立派な最期だった。」
「え？立派な最期って……なに？」
里の仲間の言ってる意味もよく理解出来ないままに呟いたその言葉に、伝えてきた男の顔が悲痛に歪むのを見て、Aは決して死が遠い所のモノではない事を理解した。
それからはただ無心に人を殺す為の忍術を学んだ。
チャクラ量の少ないAに大した術は使えないが、敵の懐に侵入するのはAの得意とする分野だった。
偽者の自分を造り上げて演じる
その間だけは辛いことも忘れることが出来たから―
だが、結果として最終的に自身に向けられる嫌悪と憎悪の念に現実に引き戻され、血塗られた両手を眺める度に
Aの瞳は暗く重く
色を失くしていった。
任務を終えて里に戻っても、友だちやその親が少し前の自分と同じように笑ってる事に反吐が出ると思う一方で、彼等の日常を壊したくないとも思った。
だから、今回のこの任務
「絶対、私がやり遂げる。」
決意と共に呟き、冷えてきた空気を吸い込んで吐き出せば白い吐息が空に立ち昇る。
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テン(プロフ) - さきさん» わー、さきさんありがとうございます。嬉しいです。君に届けたい〜のパスワードは、作品ページにも記載してますがカカシ先生のお誕生日ですよ^_^キャラ崩壊してますが、楽しんでいただければ幸いです。（レス遅くなり申し訳ありません^^;） (4月7日 21時) (
レス) id: 45d5aa443d (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろい作品でした！君に届けたい歌があるのパスワードは教えてもらうことは可能ですか？ (1月14日 22時) (レス) id: fc3eb456ce (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - honokaxxxvさん» honokaxxxvさん初めまして。コメントありがとうございます(^^)18フラグが探せるのであれば、『この作者の作品を全表示』という場所から飛べると思います♪私もあまりシステムに詳しくなくて、もし見れない時はまた教えて下さい(･･;) (2021年12月11日 13時) (レス) id: 4e1c1164bb (このIDを非表示/違反報告)
honokaxxxv(プロフ) - こんばんわ！久々占ツク開いて真剣に読みました( ¨̮ ) 『君に届けたい歌がある』を読んでみたいのですが18フラグを探せれる設定なのですが見つかりません( ´∵｀) どう調べたら出てきますか、？ (2021年12月10日 0時) (レス) @page40 id: 75aa42d988 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - 哀羅さん» 哀羅さんこんにちは！いつもありがとうございます(*^^*)引き続き続編も楽しんでもらえれば幸いです♪ (2021年1月14日 19時) (レス) id: d52e65ea9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テン | 作成日時：2021年1月14日 0時
