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怒ってるような呆れているような
そんな表情を浮かべてAの鼻頭を強く摘まんだカカシに、Aは手足をばたつかせて身を起こした。
「なっ……何するんですかっ!!痛いな!!」
赤くなった鼻を押さえてカカシを睨みながら言ったAに、カカシは盛大な溜息を付いた。
「おかしいと思ったよ。あれからなーんにも言ってこないから。まーさか……覚えてなかったとはね。こんな事ならもっと早く聞いとけばよかった。」
「え、えっと……もしかして、私、忘れちゃいけない事忘れてる?」
「そうね。」
やれやれと呆れて呟いたカカシに、そんなに大事な事忘れちゃってるのかとAは若干青ざめる。
「ごっ……ごめんなさい。」
取り敢えずバツが悪くなって素直に謝ったAをカカシは再び引き寄せて腕の中に閉じ込めた。
「ま、あの時はだいぶ意識も朦朧としてたから……しょうがないか。」
「で、でも……凄く大事な事……だった?」
「そりゃぁもう。」
「あの……教えて貰えたりします?」
腕の中で首だけ動かしておずおずとカカシを見上げながら言ったAに、カカシは少し笑ってその頬を撫でた。
「勿論。但し……聞いたらちゃんと、責任取って。」
「せ、責任……ですか。うん、分かりました。忘れた私が……悪いし。」
罪悪感から妙な責任感を持ったAが気合いをいれてカカシを見上げた。
「俺はあの時Aに……落ち着いたら結婚しようって言ったよ。」
「………は?」
「だから、ま……その為にも多少は無理して毎日やってるつもりで、お前もそれが分かってるからギリギリまで止めずにいるんだと俺は思ってたんだけど。どーやら、違ったみたいだね。」
「え……っと。ちょっと待って。」
両手で、頭を抱え込んだAは血の気が引いていくのを感じながら働かない思考を目一杯働かせる。
「ね、A。責任、取って頂戴ね?」
「あ、えっ……えっ!?」
「ちょっとちょっと。ちゃんと聞いてた?流石に二度も三度も言わないよ?」
呆れてAを眺めているカカシに焦点を合わせたAはその両肩をがっしり掴んだ。
「あ、あの!!カカシ先輩?貴方、ほ……火影ですよ?」
「うん。」
「わ、私は……元々木ノ葉の人間じゃ……ないし、正規の忍でもないし……」
「んーそうだね。」
「り、料理も!カカシ先輩より……下手だし。洗濯と掃除は出来るけどって……その、血迷ってますか!?」
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テン(プロフ) - さきさん» わー、さきさんありがとうございます。嬉しいです。君に届けたい〜のパスワードは、作品ページにも記載してますがカカシ先生のお誕生日ですよ^_^キャラ崩壊してますが、楽しんでいただければ幸いです。(レス遅くなり申し訳ありません^^;) (4月7日 21時) (レス) id: 45d5aa443d (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろい作品でした!君に届けたい歌があるのパスワードは教えてもらうことは可能ですか? (1月14日 22時) (レス) id: fc3eb456ce (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - honokaxxxvさん» honokaxxxvさん初めまして。コメントありがとうございます(^^)18フラグが探せるのであれば、『この作者の作品を全表示』という場所から飛べると思います♪私もあまりシステムに詳しくなくて、もし見れない時はまた教えて下さい(・・;) (2021年12月11日 13時) (レス) id: 4e1c1164bb (このIDを非表示/違反報告)
honokaxxxv(プロフ) - こんばんわ!久々占ツク開いて真剣に読みました( ¨̮ ) 『君に届けたい歌がある』を読んでみたいのですが18フラグを探せれる設定なのですが見つかりません( ´∵`) どう調べたら出てきますか、? (2021年12月10日 0時) (レス) @page40 id: 75aa42d988 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - 哀羅さん» 哀羅さんこんにちは!いつもありがとうございます(*^^*)引き続き続編も楽しんでもらえれば幸いです♪ (2021年1月14日 19時) (レス) id: d52e65ea9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年1月14日 0時