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ずっと働き詰めのカカシを案じているのは何もAだけではない。
共に働いている誰もがカカシの身を案じていた。
そうして今日、Aを中心に決行されたのはカカシを休ませる為の作戦。
実はもうこの作戦を決行するのは三度目の事で、カカシ自身もこの作戦の意図に気付いている筈だがそこは大人しく従ってくれる。
それが自分を想っての策である事が分かっているのと、作戦を決行するのがAだから逃げようがないとテンゾウが笑って言っていたのを思い出しながら腕の中で静かに寝息を立てるカカシを眺める。
「出来れば……私や皆がこの作戦を決行しなくても良いように余力を残して働いて欲しいんだけど。」
「まぁ、この人……自分にめちゃくちゃ厳しいからな。」
「ただの天才だと思ってたけど……きっと今までだって努力あってのもんだったんだなって……火影になってからのこの人の仕事ぶり見てて痛感したよ。」
二人の仲間の声にAも苦笑しつつ頷く。
「まぁそれはそうと……相変わらずお二人さん、仲がよろしいこって。」
「確かにっ!見てるこっちが恥ずかしいぜ。」
からかう様に言った二人にAは顔を赤くする。
「み、見なきゃいいでしょ?!私だって恥ずかしいよ!!むしろカカシ先輩相手にここまで頑張ってる私を褒めてっ!!」
「おい、A!!少し声のボリューム落とせっ!流石に耳元でそんなに声出したら起きるだろ?!」
「起きないよ絶対!なんせ、今日の薬、シズネさんの特性だからね。」
ニヤリと笑ったAに、恐ろしいもん仕込んで来たなと呆れつつ二人はAの代わりにカカシを抱えてソファーに横たわらせた。
「ってかA。カカシ先輩って……呼び捨てはどーした?」
「だから……む、無理なんだってば!恥ずかしくて死ぬ。今日は……本当に頑張った!!」
両手で顔を覆ったAに、何も変わらないなと顔を見合わせて笑った二人組はAとカカシを残してその場を離れた。
今度こそ本当に二人きりになった火影室でAはカカシの白銀の髪をそっと撫でた。
疲れの溜まった目元には隈が出来ていて、ほんの少しやつれたような気もする。
忍具ではなく、筆を動かし続けているその手に触れれば温かな体温が伝わってくる。
「ねぇ……お願いだから……あまり自分を苦しめないでね。」
そっと握り締めたままソファーに頭を預けて、Aもその場で眠りについた。
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テン(プロフ) - さきさん» わー、さきさんありがとうございます。嬉しいです。君に届けたい〜のパスワードは、作品ページにも記載してますがカカシ先生のお誕生日ですよ^_^キャラ崩壊してますが、楽しんでいただければ幸いです。(レス遅くなり申し訳ありません^^;) (4月7日 21時) (レス) id: 45d5aa443d (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろい作品でした!君に届けたい歌があるのパスワードは教えてもらうことは可能ですか? (1月14日 22時) (レス) id: fc3eb456ce (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - honokaxxxvさん» honokaxxxvさん初めまして。コメントありがとうございます(^^)18フラグが探せるのであれば、『この作者の作品を全表示』という場所から飛べると思います♪私もあまりシステムに詳しくなくて、もし見れない時はまた教えて下さい(・・;) (2021年12月11日 13時) (レス) id: 4e1c1164bb (このIDを非表示/違反報告)
honokaxxxv(プロフ) - こんばんわ!久々占ツク開いて真剣に読みました( ¨̮ ) 『君に届けたい歌がある』を読んでみたいのですが18フラグを探せれる設定なのですが見つかりません( ´∵`) どう調べたら出てきますか、? (2021年12月10日 0時) (レス) @page40 id: 75aa42d988 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - 哀羅さん» 哀羅さんこんにちは!いつもありがとうございます(*^^*)引き続き続編も楽しんでもらえれば幸いです♪ (2021年1月14日 19時) (レス) id: d52e65ea9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年1月14日 0時