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気のせい、なのか……?
新八が数回瞬きを繰り返す間にも、式は滞りなく進んでいく。
聖壇に立つ牧師は、つらつらと祝詞を読み上げていき、
そして、お決まりの、あの言葉へ。
『病めるときも、健やかなるときも』
愛を、誓いますか、と。
―――誓います。
『それでは、誓いのキスを』
新郎の沖田は、Aとの距離を一歩、縮めて
花嫁のヴェールをそっと持ち上げる。
それを見守る新八には、焦りが生まれていた。
いいのか、このまま進めさせてしまって?
たった一瞬のことで、なにも確証はない、見間違いかもしれないけれど
でも、もしも見間違えではなかったら沖田こそが。
沖田の顔が、徐々にAに近づいていく、
今にも、触れそうな距離まで―――。
沖田こそが、唯一のウィルスに侵されていない人物かもしれない。
「あっ、あの……!」
新八は思わず腰を浮かして、焦っていたためガタンッと音を鳴らしてしまった。
けれど、そんな新八に注目する人は誰もいない。
何故なら、もう開くはずのない入り口の扉が、それよりもっと派手な音をたて開かれたのだから。
「ちょっと待ってよ」
静まりかえる教会。
その中で、扉を開け、静止を口にしてから
バージンロードを真っ直ぐ歩いてくる人物は。
「……神威!?」
「A。―――何してるの?」
Aの兄、神威だった。
止まっていた時間が動き出すように、
ナニ?ダレ?
困惑と驚きで周囲が一気にざわめきだす。
一緒に呆けていた新八も、はっと我を取り戻した。
神威の外見は、新八の記憶にあるものとほぼ差異がなかった。
強いていうならば、顔つきがより大人びたような気がする。
っていうか、この人も2年後設定ってことでいいの?
ギャグ回っぽいここにでてきたってことは、イボなの? 今の所シリアスしか出てないけど、ここにきてイボなの?
「何、って……」
「この茶番のことだよ。
Aは俺と結婚するって、約束しただろ?」
聞いたことある。それでA兄はヤベェやつって第一認識がついたんだっけ。
新八は、Aと出会った頃を思い出す。
中身も通常運転っぽくてイボかどうかの判断つかないんですけど。
っていうか僕らの前にのこのこと現れるような物語展開してませんよね、
新八は心の中でツッコミと警戒をしつつ動向を伺う。
「神威、私」
「今は何も言わなくていい。
それよりも早く、ここから出るんだ
A、俺と一緒に行こう」
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ぽてうさ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!!書いててよかったってなる嬉しいお言葉です(*^^*)近い内に続編も公開予定なので少々お待ち下さい! (2020年5月2日 11時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すっごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい!応援してます♪ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - ついに総悟さん行動にでました(°口°)こちらこそありがとうございますです_|\○_ 作者としては優しい沖田総悟を書くのが難しくて苦労してます笑 (2020年4月7日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 総悟ぉぉぉーーーーーΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)すみません荒ぶりました← 何だろう…何か…もう…ほんとありがとうございます(((語彙力 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - 至恩さん» 久しぶりとなってしまった更新で、こんなコメント貰えるなんて本当に嬉しくて続きを書くモチベがぐんぐん湧いてきます!ありがとうございます(●´ω`●) (2020年3月14日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2019年2月6日 19時