Episode:34→休息 ページ37
｢本当だ。……お前、落ちるって分かった瞬間、無駄に暴れただろ｣
『うっ…はい……』
｢それだ、それでワイヤーが木から外れたんだ。撃ち込みが甘かったのかもしれんが、無駄な動きはなるべくするな。……あと、冷静に考えれば、ワイヤーが刺さっている方に浮かび上がれることだって分かるはずだろうが｣
『ぐっ……！』
ごもっともです……！！
落ちると思ったら怖くて、死ぬと思って、焦った。
『ごめん……つい焦った。冷静じゃなかったと思う』
｢いや、色々言ったが、今回は仕方ない。俺が訓練用の物を用意してなかったのが悪かったからな。それに、説明不足だった｣
『！そ、そんなことない！リヴァイは説明上手だった！』
確かに天然かと思ったけど……！
｢……おい、あまり俺を甘やかすなよ｣
『え？』
｢俺はお前を甘やかすつもりはねぇが、同時に俺も上官として甘ったれるつもりはねぇ。……甘やかさなくていい、使えるもんは使え。いいな？｣
『……は、い』
｢……今日はここまでだ。怖い思いをしただろう、休め。……明日の訓練に備えろ｣
くしゃ、と頭を撫でられる。
兵舎へ向かうリヴァイの背中は、逞しかった。
『……甘やかしてるでしょ、』
甘やかすつもりはないとか言っといて。
さっきも、助けずに待つとか、｢浮かび上がれ！｣って指示するとか、あったでしょ。
わざわざ飛んで来るなんて。
……ほんと、甘やかしてるのはどっちなんだか。
『はぁ……』
遅れて兵舎に入り、装置を技巧班に預けてから自室へ戻る。
紅茶を淹れようと棚からカップを出すと、ちょうど来客があった。
｢やぁ、A！元気にしてるー！？｣
『……ハンジ、ノックしてよ』
｢ごめんごめん！つい！｣
『そんなだからモブリットに怒られるんだよ……』
いきなり入って来たハンジに文句を言うけど、なんだかんだハンジの分もカップを用意してるから、あたしは甘いのかもしれない。
『ハンジはコーヒーでいい？』
｢よく分かったね、私が紅茶嫌いなの｣
『すごい嫌そうな顔して飲むから。……でもその割にコーヒーは自分で淹れて飲んでるみたいだし』
｢その観察眼ぜひウチに欲しいねぇ〜……やっぱり私の部下にならない？｣
『ごめん、リヴァイについてくって決めたから』
｢言うと思った〜！！ちぇ、つまんねぇの〜！｣
コーヒーを差し出すと、｢ありがとう｣とハンジは啜る。
あたしと言えば、無意識にはため息をついていた。
『はぁ……』
…リヴァイに迷惑かけた。
Episode:35→優しい嘘→←Episode:33→ちゅうぶらりん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
深海(プロフ) - ゆんさん» まぁそうですよね。これに関してはごめんなさいとしかいいようがないです。申し訳ない！ (2019年7月15日 22時) (
レス) id: 7d50cb5b5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - ちょっとリヴァイ兵長のイメージが… (2019年7月15日 22時) (レス) id: 42e6ec1d64 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 水無月碧音さん» わー、嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年7月5日 12時) (レス) id: 7d50cb5b5d (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 夢主可愛い…！応援してます！ (2019年7月4日 22時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：深海 | 作成日時：2019年7月3日 11時
