Episode:20→覚悟 ページ22
side→ハンジ
｢俺が兵士として生き残る術を叩き込む。……幸運なことに、あいつは元々の能力が優れてる。危機管理能力、察知能力、反射神経……対人に慣れてるからこそ、いざというときの躊躇いがねぇ｣
｢……っ｣
確かに兵士としての能力は立派に備わっている。
それはもう申し分ないくらい。
けれど、勝手に私達が決めていいことなのだろうか。
｢……あの子の意思は……どうなるの…？｣
問うと、リヴァイは切なげな表情を浮かべる。
｢……拾ったのが俺なんだ。そして、受け入れたのが、俺達だ。……それだけでもう、あいつも、俺らも……覚悟を決めないといけねぇんだよ｣
｢……っく、｣
悔しいがその通りだ。
私達は、人類のため、巨人を倒すためと、たくさんの犠牲を払い、その屍の上に生きている。
この手は汚れている。
……子どもを限りなく正しく導くことなんて、不可能なくらいに。
｢……ならばせめて、私達にできることをやるしかない。虚しく死ぬことがないよう、命を守る術を、戦う術を教え込むことが、我々にできる最大の教育だ｣
エルヴィンの言葉に、頷くしかなかった。
｢……そうだね｣
きっと私達は人の親にはなれない。
だからせめて……自分の身を自分で守る方法を教えてあげなくちゃね。
｢とは言え、分からないことが多い分時間はかかるだろう。だが、根気よく付き合ってやるつもりだ｣
そう言ったリヴァイは、きっと相当責任を感じているのだろう。
元々調査兵団に入れさせるつもりだったんだろうけど……良心が痛まないはずがない。
彼は、どこまでも優しい人だから。
｢しばらくは俺が付き添うし、何かあったら困るだろ、言葉通り俺があいつを守ってやる。戦場であいつばかり気にする余裕はねぇかもしれねぇが、少なくとも俺自身は死なねぇよ、そんなヘマはしねぇ｣
｢なるほど。本当に言葉通りだな｣
｢あぁ……これだけ散々甘えられてるんだからな……手塩にかけて育ててやらねぇとだろ……｣
……目が据わってる気がするのは気のせいかな。
かなり怖いんだけど。
エルヴィンも若干引いてるし。
｢俺がたくさん目をかけてやった分、成長して俺に報いてくれるんだろ……？昨日だけで、散々恥かいたからな……｣
…気にしてたんだ。
手繋ぎとか添い寝とか…諸々。
｢まだこれからも、俺は恥ずかしいことをさせられるんだろうよ……いいさ、覚悟は決まってる｣
彼は立ち上がり、意地悪く微笑んだ。
｢あいつを守る覚悟も……躾あげる覚悟もな｣
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深海(プロフ) - ゆんさん» まぁそうですよね。これに関してはごめんなさいとしかいいようがないです。申し訳ない！ (2019年7月15日 22時) (
レス) id: 7d50cb5b5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - ちょっとリヴァイ兵長のイメージが… (2019年7月15日 22時) (レス) id: 42e6ec1d64 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 水無月碧音さん» わー、嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年7月5日 12時) (レス) id: 7d50cb5b5d (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 夢主可愛い…！応援してます！ (2019年7月4日 22時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海 | 作成日時：2019年7月3日 11時
