【刀剣乱舞】帰ってきてください、主、切実に

二十話*内番本仕込み〜♪← ページ27

「調子どう?悪いなら診てあげるよー?」



今日は馬当番の内番。

相変わらず、私の頬に顔を擦り付けてくる。
まぁ顔舐められる薬研よりはマシか(笑)



で、私と同じく当番なのが…





「……ははは。雑用結構。これで山姥切と比較する奴もいなくなるだろ」


…国広派の打刀、山姥切国広こと切国だ。



皮肉でいつも自分を写しだと卑下する。
気にしなくていいのに…って思うけれど、私が言っても響かないだろう。




「よーし…始めようか、切国。」

「あぁ」




そう言ってまず馬糞を回収する。



「切国、その馬糞集めて私に頂戴?あぁ診察だからね?
流石の私も馬糞を集める趣味はない。」

「……分かった。」



それぞれの当番を始める。
…うん、馬の調子は悪くない。


切国も、ちゃんとやってくれてるし…




…馬当番では鯰尾が馬糞を投げようとするのを阻止していた訳ではない。
決して……決してない。



「…姫鶴」

「ん?どうしたの、切国」

「…髪、食われてる」

「えっ!?」



慌てて振り向くと、私の髪の毛が三国黒に食われてた。



「ちょっとー!?私の髪の毛は餌じゃないってばぁー!?;;」

「……ふっ」

「切国!笑ってないで助けてっ!;;」



ていうか笑ってる切国って珍しいね!?
滅多に笑わないからかな?




「うわっ!?」



切国に体を引っ張られる。


目の前の画面が、切国の布でいっぱいになる。
背中に小さいけれど、確かな体温を感じる。





…私、切国に抱きとめられてる?



「……よし、取れたぞ姫つ」



切国の動きが停止した。
え?まだ折れるほど疲れてないよね?



「切国?」

「あ、あ……!//////」

「切国ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?堀川!堀川助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

「姫鶴さん!?一体どうし…兄弟?姫鶴さんになにしてるのかな??」


同じ国広である堀川を呼んだら、すぐに来た。速くない??

うん堀川?顔怖いよ?
なんか和泉守に悪戯した鶴丸さんの肩を掴んだ時みたいな顔してるよ?




「ﾊｯ…すまない。写し如きが本物のあんたに触るなんて恐れ多いよな。」



冷静に…というかキノコが生えた切国は私から顔を背けた。

な、何か落ち込ませてしまった…?





「…切国、私は切国が写しでもそうじゃなくても切国が好きだよ?
国広第一の傑作なんでしょう?しゃんとしよっ!」



私は笑顔で切国の肩を叩いた。
…切国に、届くといいなぁ。




「(……写しでも好き、か///)」

「(いいなぁ、兄弟…)」

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