雲行き[side Ｏ] ページ26
《side智》
「リーダー、起きて」
ニノがおれを揺さぶって起こした。
「ん？」
「交代だよ、ちょっと仮眠とらせてよ」
「ああ、うん」
のっそり起き上がって目をこすってたら、松潤が鋭い目で外をにらんでる。
「たぶん、もう大丈夫。さっきまでこっちの様子を窺ってるハイエナ共どっか行ったっぽい。日が昇ったからか」
「……は？ハイエナァ？」
「うん。狼かと思ったんだけど、ニノが調べたらハイエナだった」
「ハイエナ……死肉をくらうって、あの？」
「うん。おそらくこっちが弱ってるとか隙を見せたらまずいと思う」
ニノが平然として、言う。
「……え？」
「もうちょっとしたら翔さんに起きてもらうよ」
「……」
二人がふうってため息をはいて、ごろんって横になった。
「まじか」
「うん。あとね、蜘蛛とか蛇とか、わけわかんない生き物にかかわるのやめてね。危険なやつ結構多いみたいだし」
「ニノのタブレット無かったらどうなってたんだよ俺ら。」
ふたりがアハハとか笑いながら目を閉じる。
「リーダーよろしくね」
まじか。
どきどき。
外に出てみたら、朝日が昇っていて、焚き火もいい感じに燃えてて、波のざぱーんって音が聞こえてて、いい気持ち。
うーんって伸びをして、周りをぐるんって見渡す。
きれいな島だな。
遠くで、一匹の大きな犬みたいな奴がちらっとこっちを見てるのがわかった。
あいつか。
ハイエナ共、って言ってたから、たくさんいるんだな。
煮沸して、ろ過した水をペットボトルに入れる作業の途中なのか。
途中までやってあったのを片付けたら、やることがなくなった。
翔ちゃんが書きかけてる地図を見て、手直しをする。
翔ちゃん、気持ちはすっごいよくわかるけどさ、この絵じゃわかんないよ。
巨大な足跡を書き直して、宝箱を見つけた木が、あんまりにもあんまりな絵だったから、書き直して満足した。
次は西に進めって書いてあったな。
西に進んで、なんだっけ。
礼節を重んじ長上を敬し、人を尊び美徳の心があればたやすい試練
って書いてあったな。
空をぼおっと見上げてたら、なんだか、雲行きが怪しい気がしてきた。
そういや、昨日みつけた足跡の奥に、洞穴みたいなのあった。
あとで、みんなで行ってみよう。
薪を紐で縛ってビニールをかぶせて、みんなで運べるようにして朝が来るのを待つ。
雨は、やだな。
お鍋とか片付けながら、はあっとため息がでた。
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カナ - ものすごくよかったです！よしのさん、無の証明応援してます。 (2019年11月9日 21時) (
レス) id: b8c9c9f13b (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 何度読み返しても面白いので、嫌なことがあったりすると必ずこの作品をこそっと読み返してます（笑）お妃候補や青王子がキリッとしている姿など、プチ続編を密かに期待しています(*^-^*) (2018年8月12日 11時) (レス) id: 46d8f31019 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - わぁとっても楽しかったです。五人それぞれの特色が素晴らしくて拝見していてワクワクが止まらなかったです>^_^< (2017年9月18日 10時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
catseye(プロフ) - いやいやいやいや。嵐さんの（ヲタヲタしい）話を出来るってだけで私の中ではフツーの人じゃないですし、がっかりしませんよ(笑)赤いネルシャツ着てお蕎麦持って待ってましょうか？(笑) (2014年11月18日 18時) (レス) id: 9878059a12 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - なおさん» ありがとうございます( ；∀；)各王子の声で再生されたといわれるの嬉しい♪こういう話になると、相葉さんはアカレンジャーの役割をします！トラブルの根源でヒーロー(笑)翔青、和緑、智黄、潤ピンク←でどうだろう。なんか違う(笑) (2014年11月18日 8時) (レス) id: 526c4ff89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年7月5日 17時
