６ ページ6
…私はその一言に、不思議と元気づけられた。
そうだ…何考えてたんだろ、私…
まだ実行してもないのに勝手にそうと決めつけて、やろうともしないなんて。
「Aならできるって…私は信じてるから…」
フッ、と何処か儚げに笑った雅。
その顔からは、まるで彼女には過去に何か未練があったように感じられるが…
…そうだよね…雅の言う通りだよね…！
私の思考はそれで埋め尽くされていた。
「…有難う！頑張る！」
「おう！もし受け取ってくんなかったら、その時仁は公開処刑でいいよな！」
ニカッ、と快活に笑った彼女。
物騒なこと…たぶん冗談…を言う彼女に苦笑し、私たちは別れた。
「…大丈夫だよね…？」
家に着いた後、私は着替えて彼に渡す袋を持っていた。
大輝も、雅だって応援してくれたんだし、きっとうまくいく。
それにもし受け取ってくれなかったら仁は公開処刑されるらしいし…。(まぁ嘘だとは思うが)
「…行こう」
私は腕中の袋をぎゅっと握りしめながら決心し、家を出て彼の家へと向かった。
…彼の家の前まで来た。
でもやはり、緊張はするものだ。
本当に、受け取ってくれるか…迷惑じゃないか…
…でも、いい。
例え受け取ってもらえなくとも…それでもいいから…！！
私は複雑な心境の中、インターホンを鳴らした。
ピンポン、という独特の音が鳴り響く。
『…はい』
あまりにも応答が速かったため、私は驚いて背中を少し伸ばした。
聞こえてくるのは男性のもの。…彼のお父さんだろうか？
「えっ、あっ、あのっ、A、ですっ、仁はいます…か…？」
緊張のせいか声がうまく出ない。
これを彼に聞かれてなければいいのだが…
『…あー、A？待ってて、今行く』
しかし願いは儚くも。
応答したのが彼だと分かった時にはもう遅かった。
「…え…？？」
私が小さく声を漏らすと、玄関を開け仁が出てきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フィーア―vier―(プロフ) - ゆあんさん» コメ有り難う御座います！この時間なのでこんにちはになってしまうかな？ｗ ありゃぁあ…そんな顔文字をつけてまで続きが気になるだの言われちゃったら嬉しくなるじゃありませんか。←嬉しいです。受験生ですが、頑張って更新させていただきます。 (2014年7月21日 17時) (
レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
フィーア―vier―(プロフ) - 莉羅さん» コメ有り難う御座います！うわぁ！そんなに「っ」をつけて面白いと言っていただけると、それだけ面白いってことが伝わってきて…あああもう感激です！！受験生のため、更新はかなり遅くなりますがこれからも頑張らせていただきます！ (2014年7月21日 17時) (レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあん - こんばんは！凄く面白いです！続きが気になります(*´∇｀*)更新頑張ってください(p^-^)p (2014年7月12日 20時) (携帯から) (レス) id: 1daf510f09 (このIDを非表示/違反報告)
莉羅 - とっっっても！面白いです！！頑張って下さいぃぃ！ (2014年7月7日 19時) (レス) id: db9ded1328 (このIDを非表示/違反報告)
フュンフ ―funf―(プロフ) - 龍崎花音さん» どもども☆フュンフ（フィーア）で御座います((便乗乙 うにゃぁ？！こんなのを面白いとな…！やっぱりですね、嬉しいです。感想をいただけるのも勿論新たなお方から貰えるのなんてもっと…！！(〃'▽'〃) これからも頑張って更新していきたいと思います！！ (2014年6月18日 18時) (レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：肆 | 作成日時：2014年2月14日 18時
