【urt】私と兄とお友達【skt】

21話(うらたぬき) ページ22

うらた「で、どうした？」



どうせ帰る家は同じなので、2人で歩きながら話す



帰る家は同じって、なんかあれだな



坂田「いやー…あんな？」



「うん？」



坂田「…最近、Aの元気がない気がして」



「…ふーん？」



坂田「会話が減った気がして、俺なんかしたかな…って…うらたさんなんか聞いてない？」



うらた「…」



坂田「家にもな？前まではすぐ帰ってきてたのに、最近は遅いし」



この様子だと俺の家に来てることは言ってないんだろうな



坂田「なんでやろ…反抗期…？」



うらた「そういうのではないんじゃない？」



坂田「そうかなぁ…笑顔も少なくなった気がして…Aは笑顔がかわえーのに…」



うらた「そうだな」



俺は何を言うわけでもなく、坂田の話をただ聞いていた



坂田「…あ、ひまわりや。もうこんな季節なんやな」



うらた「ここ毎年夏になるとひまわり咲くんだよ」



坂田「へぇ…。あ、なんかひまわりとA似てるかも」



うらた「え？」



坂田「明るくて、かわいくて、癒される感じ！」



うらた「…そうだな、確かに」



坂田「な？そやろ？太陽が似合うし」



うらた「…ひまわりって、太陽の方ずっと向いてるんだよな、確か」



坂田「うん、そうらしいよ」



うらた「…そんなとこも似てるわ」



坂田「ん？」



うらた「…俺、寄らなきゃいけないとこあるから、ここで解散で」



坂田「お、りょーかいー！ありがとな、うらたさん！」



うらた「おー」



両手をブンブン振る坂田に背を向ける



なんとなく振り向くと、坂田はもうこっちを見ていなくて



あいつは今から、Aが待つ家に帰るんだな



彼女はお前が照らさないと上を向いてられないなんて、俺にとってはなんて皮肉なことだろう

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