ごーお ページ7
転入当日、私はピカピカの新しい制服に身を包み「W−3」と書かれた教室の前に
立っていた。
窓から少し覗いてみると、ちょうどアーサーが教室内を静かにさせようと
孤軍奮闘しているところで、一番前に座っているルーが苦笑いを浮かべていた。
見た所、教師はまだ来ていないようだ。
一応、名簿を見て顔と名前は頭に叩き込んだが馴染めるのか不安でしょうがない。
「ふーっ」と大きな溜息を吐いていると、アーサーに名前を呼ばれた。
アサ「入ってきていいぞ」
主「ひゃい!」
緊張と驚きが重なり、声が思いっきり裏返る。
やだもう恥ずかしい帰りたい・・・。
だが、ここまで来て帰れるわけがない。
意を決して教室のドアを開け、アーサーの元へゆっくり歩く。
「わっ、かわいい〜」
「昨日の子じゃない?」
「人魚っていう・・・?」
今まで経験したことないくらい注目を浴びる。
50の瞳が、一斉に私を見ていた。
緊張で足がもつれそうになるが、なんとかアーサーの元へ辿り着けた。
ほっと一安心したのも束の間、今度は自己紹介が待っていた。
アサ「自己紹介、いけるか?」
主「大丈、夫・・・!」
ルー「フィー頑張れ〜!」
正直大丈夫ではないのだが、ここまできたのだ。
このまま引き下がってたまるか。
そう自身を勇気付けていると、一番目の席に座っていたルーがエールを送ってくれる。
主「・・・フィオラ・リーア、です。よろしく、お願いします」
よかった、なんとか噛まずに言えた。
自分の名前を言い、ぺこりとお辞儀をする。
すると、パトパチと割れんばかりの拍手が教室に響いた。
呆気に取られていると、ルーが「良かったね」と笑いかけてくれる。
純粋に、嬉しかった。
アサ「席、あそこの後ろな。ノルの左後ろ」
アーサーが指差した方を見ると、ノルが「こっちだべ」と手を挙げていた。
席は窓側から二番目の一番後ろ。
席を確認し、とてとてと歩き、自分の席に座る。
左の席に座っている人は、うつ伏せになりぐっすり眠っているようだ。
右を見ると、栗色ロングの髪をした女の人がにこっと笑い手を振っている。
どうしていいか分からなかったため、小さくお辞儀で返す。
すると、ちょうどのタイミングでHRの終わりを告げるチャイムが鳴った。
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しな月(プロフ) - オスロさん» わーい(ノ*°▽°)ノありがとうございます!頑張りますね! (2015年4月28日 14時) (レス) id: 52b363471d (このIDを非表示/違反報告)
オスロ - とても面白かったです(^∀^) 更新頑張ってください! (2015年4月26日 23時) (レス) id: ea3d99ec89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しな月 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年2月7日 12時