にーじゅ ページ22
主「ん〜・・・っ！」
W学園内にある馬鹿みたいに広い図書室、
その一角に私は居た。
最近、少しずつ絵本など子供向けの本を読むようになったのだが、
本の数が多いため、上の方にある本が取れない。
なんで子供向けの本なのに、あんなに上の方にあるんだ・・・。
背伸びをしてみたり、ぴょんぴょんと跳ねてみたりするが、
伸ばした手が目的の本に届くことはない。
しまいには、飛んだ拍子にバランスを崩して転けてしまった。
主「いたい・・・」
硬い床に思いっきり打ち付けてしまった腰に、鈍い痛みが走る。
一人じゃなにも出来ない悔しさに、涙が出そうになった。
もう、今日は諦めよう。
そう思い立とうとした時、不意に上から声が聞こえた。
「大丈夫？」
主「っ！？・・・あ、えっと、いーす？」
イース「うん。はい、手」
ぱっと上を見て、そこに立っていたのはノルの弟のイースだった。
その後ろには香が居て、両手で必死に重い本を抱えていた。
イースの手に捕まり、ゆっくり立ち上がる。
それと同時に、今度は香がドスンッという音と共にひっくり返った。
主「だいじょう、ぶ？」
イース「もう、何やってんの？」
香「いや、イースがあんなに本積まなきゃ俺が倒れる事もなかったんですけど的な。
あと手貸して」
イース「・・・しょうがないな」
いつもの仏頂面を少し緩ませ、今度は香に手を伸ばすイース。
やっぱり、仲良いなぁこの二人。
香「thank youイース。で、フィオラの取りたかったのってどれ的な？」
主「え？・・・えと、あれ・・・」
ズボンについたゴミを叩きながら、私がさっき立っていた場所周辺の本を見ている香。
お目当てであった本を指差すと、あっさりとそれを取ってくれた。
イース「高い所の本は、あそこの脚立使ったらいいよ」
主「あれ、使っていい、の？」
香「あれ使わなきゃ、取れねーの多いからむしろ使った方がいい的な。
フィオラちっせぇし」
主「撤回要求っ、ちっちゃく、ない！」
香達が大きいだけなのだ。
私は至って普通の身長だし、胸は・・・エリザ達に比べると小さいかもしれないけど。
全体的にはそんなに小さくないはずだ。
・・・多分。
イース「あーあ、怒らせちゃった」
香「え、sorry．そんなつもりじゃなかったんですけど的な」
主「・・・本、ありがとう。だから、許す」
香「良かった、女子から嫌われるのマジ辛いし」
心底安心したように香が呟く。
嫌いになることは、ないよ。
多分、だけどね。
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しな月(プロフ) - オスロさん» わーい(ﾉ*°▽°)ﾉありがとうございます！頑張りますね！ (2015年4月28日 14時) (
レス) id: 52b363471d (このIDを非表示/違反報告)
オスロ - とても面白かったです(^∀^) 更新頑張ってください！ (2015年4月26日 23時) (レス) id: ea3d99ec89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しな月 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年2月7日 12時
