尋常に勝負！ ページ10
もうすぐで裏口にさしあたるというところで、
男達に奇襲がかけられた
兵)「ぐわあああぁぁっっ！！！」
男)「なっ！何事だ！？」
前を走っていた兵が急に血塗れになって倒れたのだ
兵)「お逃げください・・・殿様」
力ない声ではあるが、主を逃がそうと必死なようであった。
男)「何をっ！！」
兵)「大丈夫か！」
後ろからAを担いでいる兵が何事かと顔を覗かせる
幸)「トオォォゥウッッ」
ドタドタドタッ
今度は何だと大声がした方を向く
男)「！？」
幸)「某、真田幸村！お手あわふぇ願いまふふっ！」
男)「何故貴様らが…」
男達が驚くのは当然のことであろう。
噂では西軍と同盟を組んだ武田がここに居るのだ。
兵)「き、聞いておりません！」
佐)「ヤッホ〜、俺様も居るよ〜・・・って大将、おにぎり食べながらしゃべらないっ！」
忍だというのに自分の主張を忘れない
男)「クッソ…何なんだ一体！おかしいぞっ！」
兵)「・・・ここは私が食い止めます！軍勢は見かけませんでした、殿はこの娘を連れて正面からお逃げくださいっ！」
兵は何かを決心したかの様に大将に娘を渡し、敵二人と向き合う
男)「クッ…分かった、礼を言う・・・」
男は急いで来た道を引き返していった。
佐)「何？アンタ一人で俺ら相手しようっての？」
幸)「なぬぃいいっ！」
兵)「殿のあとは追わせません！」
佐(ふ〜ん・・兵は立派なもんだねぇ・・・)
佐)「まぁ、別に追うつもりは無いからいいんだけどさっ」
兵)「え……？」
バタッ
真田は突然首を抑え、苦しそうにもがきはじめた。
幸)「ぐぬううっっ！さ、佐助ぇ！」
佐)「どうしたっ！大将！」
幸)「おにぎりが喉に…」
佐)「…あのさ、黙ってくんない？しかも食べるのは後にするって言ったよね、自業自得でしょうがっ！」
文句を垂れながらも背中を叩いてやる姿は母親の様にも見えた。
兵)「・・・」
幸)「ふう…間一髪でござった、すまぬな、佐助」
佐)「ハァ・・・」
兵)「何かよく分かりませんが、私が相手です！殿には…近寄らせませんっ！！！」
佐)「中々いーんじゃないの？兵はこんなに素晴らしいのに、長があれじゃあ……勿体無い」
兵)「・・・・・・」
佐)「これは本気って感じだね・・・武田に欲しいくらいだよ」
兵)「行きますっっっ！！！」
幸)「うむ！！いざ尋常に勝負っっっ！！」
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作者名：おもち | 作成日時：2014年4月12日 20時
