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見返り ページ5
バサッ…
兵たちは縄をほどき、布をおおざっぱに広げていく
孫)「これは・・・」
徳)「ああ・・・」
そこには思った通り、Aが包まれていた。
目を閉じているが、寝ているだけの様で二人は少しの安心した。
男)「この娘こそが、その役に立つかと」
パンッ・・・パンッ・・・
男)「！？、どうなさったんですか雑賀殿！？」
孫)「外に二人、怪しい者が居たのでな」
孫市は外で待機している三人に、Aが居るという事を例の合図で知らせた。
男)「こちらの用心不足！お許し下され」
男は少し気になったものの、目先の大きな好転機にめがくらんでいたので、外に向けて放たれた銃弾の１つ２つのことなどどうでもよかった。
徳)「それで、条件は何だ？それだけ大した代物らしいからな、それなりの見返りはあるだろう」
あとは三人が持ち場に着くまでのほんの少しの間、時間稼ぎをするだけだ。
男)「そんな！私共はこの天下二分の戦い、徳川殿が勝利をおさめられるに相応しい方と思っての申し出であって・・・」
欲望丸出しの世辞など聞くだけで憂鬱になりそうだが、家康はしっかりと聞いていた。
徳)「そうなのか？」
彼が何を思って聞いているかは分からないが、いつもの笑顔で聴く。
男)「もし、あえて言わせて頂けるのなら、徳川殿に近い位置において頂きたく存じます」
徳)「そうか・・・ところで、一つ聞きたい」
そろそろ時間稼ぎも終わりのようだ。
男)「はい、何なりと」
徳)「その娘は、どうやって手に入れたんだ？」
男)「っ・・・・・！？」
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作者名：おもち | 作成日時：2014年4月12日 20時
