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髪飾りと微笑み ページ18

店)「まいどっ」

無意識に以前と同じ店で同じ物を買っていた。

貴)「あ、危なかったー・・・」

今現在さほど重要ではない事だったが、
墓穴を掘る前に一刻も早く去りたかったのだ。

離れたら少し落ち着いてきたので三成さんを探す

貴)「えーっと、三成さんは〜……あ!」

すぐ近くの店の前でしゃがんで
難しそうな顔をしながら何かを見ている姿を発見した。

貴)「何見てるんだろう…」

あまりにも真剣なので邪魔をしないように静かに近づいた。

石)「・・・・」

貴(これは……)

三成さんが見ていたのは、紫色に透き通ったガラス玉のついた綺麗な髪飾りだった

こういうのは男の人にとって珍しく映るのだろう

石)「・・・・・」

貴)「・・・・着けたいんですか?」

石)「違うっ」

即答されてしまった

どうやらわたしの勘は外れていたらしい。

貴)「意外と似合うかもしれませんよ?ほら…」

三成さんの髪は、飾りを着けられるほど長くないので、あてがうだけだが……

石)「やめろ!似合うわけがあるかっ!!私はただっ……」

顔を赤らめながら片手で覆い、もう片方の手で髪飾りを取り返そうとしてくる。

わたしは自由に動き回れるので、店の人を盾にして再び髪飾りを見た

貴)「近くで見るとすごい綺麗……」

他の物も綺麗だったが、わたしにはこの髪飾りが一番輝いて見えた。

石)「欲しいのなら…やる…」

貴)「え?」

三成さんはいつの間にかわたしの背後に立っていた

やはり凄いなと呑気な事を考えてしまう

石)「例の忍びが、女は綺麗な物を贈ると喜ぶ、と言っていた……」

それでこの髪飾りを怖い顔で睨んでいたのか

(例の忍びって、佐助さん?だよねきっと……)

貴)「わたしなんかにくれるんですか?」

石)「お前以外にくれてやるつもりはない、他の奴に興味などないからな」

わたしがこの髪飾りを気に入った理由が今、何となく分かった気がした。

石)「店主、これを包んでくれんか」

店)「はいよ!」

貴)「あ、ありがとうございます……」

石)「お前が喜ぶのなら、選んだ甲斐があったものだ」

そう言う表情はいつもとほんの少しだけ違った。

爽やかに大きくは笑わない、しかしそれは微笑みというもの。

(そんな顔をされたら…)

貴)「怖い顔でね?」

照れるのを防ぐため、つい茶化してしまう。

石)「ふん、戯言を……」

これではさっき店に逃げた意味がなくなってしまう、わたしは三成さんの背中を見つめながらそう思った。

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設定タグ:戦国BASARA , 石田三成 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:おもち | 作成日時:2014年4月12日 20時

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