傷 ページ12
真田とその忍が何故こんな所に居るのか、とりあえずあいつらからは逃れられたから別の場所に移動しなければ
男)「さすがに・・・ハァ、居ないか・・」
ガサガサッ
男)「？！こ、今度は何だっ！！」
誰も何も居ないはずの場所から影がゆっくりと現れた。
石)「・・・」
男)「お、お前はっ・・！何故だっ！どうしてここに居るっ！！」
石(あの男の腕の中に居るのは…)
貴)「・・・・・」
間違いない…
石)「A・・・」
貴)「・・・・」
石)「眠っているのか？」
返事をしろ…
男)「おいっ・・・」
石)「私以外の奴にそんな無防備な表情を晒していいなどと…許可した覚えはないぞ」
もし何かあったのなら、私は貴様を他人の目のつかない所へ閉じ込めるだろう…
男)「喋るな！」
石)「お前が居ない間、どれだけ苦しかったことか・・・」
また一歩
石)「その足はどうした…」
Aの足にある見るも無惨な痛々しい傷
その傷を見た時、何かが体の底から込み上げてくるのを感じた。
男)「うるせえっ！」
男はAを小脇に抱え銃を放つが、刀で弾かれてしまった。
石)「そいつに、つけられたのか？」
男)「クソッ！コノッ！！」
一歩一歩近づいてくるのに対し連続して弾をうつが、
いっこうに当たる気配もなく弾がきれてしまった。
トンっ
男)「ううッ！」
いつの間にか後退りしていたのか、後ろの木に背中が当たり、
自然にズルズルと腰が地面におちていく。
石)「こんな輩ごときに……」
男)「う…あ、ああ…ち、近寄るな…！」
刀を高々と振り上げ、勢いよく振りかざす
男)「うがあぁぁっっ！！」
刀はあえて致命傷を負わせず、男の鎖骨から骨盤にかけて斬りつけた
その返り血がAと三成にかかる。
石)「A……」
しばらくここで待っていてくれ
眠っているAをそっと男の腕から取り上げ、離れた場所に移動させた。
石)「これで幕と思うな！」
斬りつけられた男を見下ろす瞳は、何者も許さない冷たいものだった。
男)「や…やめてくれぇ…許してくれ！…」
スッ…
刀を構える
石)「こいつにッ！」
男)「ギャアアアあああっっ！！」
石)「傷をッッ！！」
石)「つけていながらっ！」
男)「あ…うぁ…ぁ…」
石)「この私が貴様を許すと思うのかァッッッッ！」
ただ、この男が許せない一心で刀を振った。
後でAに責め立てられるだろうか…
それでも構わない
二度と・・・
この様な事・・・・
石)「・・・・・・」
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作者名：おもち | 作成日時：2014年4月12日 20時
