夢から覚めて ページ43
貴)「・・・・・」
目を開いても、わたしはまだ闇の中に居た
それが夢の中なのか、現実なのか、分かるまでに少し時間がかかった。
貴)「何か、夢をみていた気がするんだけど・・・」
しかし、記憶に霧がかって思い出せない
(やめとこう・・・)
嬉しい様な事だった気がしたけど、思い出したら泣いてしまいそうだったから。
貴)「それより、ここは何処だろう・・・」
目が慣れてきて、うっすらと周りが見える様になってきた。
(こんな場所あったっけ?)
貴)「三成さん?」
返事はなく、自分の声だけが響いている
貴)「はやく出よう」
ジャラ・・・
そう思って歩き出した時、右足に違和感を覚えた。
貴)「ん?」
(重いし、何かヒリヒリする)
さらに2、3歩進んでみる
ジャラ、ジャラ
貴)「ひゃあっ!」
足下は急に固くて冷たいものに変わった。
(石?さっきまで畳だったのに)
貴)「何なの!?」
一度しゃがんで右足に触れてみると、硬い輪のような物がしっかりとついていた。
貴)「・・・鎖?」
(どうしてこんな物が?)
あまりにも不思議だったので、一度最近の記憶を辿ってみる事にした。
貴)「会議中に黒田さんが余計な事を言って、三成さんに捕まり、それをあの子に話して、お茶を出してもらって・・・?」
ここで途切れている
貴)「まさか・・ね・・・」
認めたくなかった、
あんなに楽しかったから。
考えれば、おかしな点はあった筈だ。
度々浮かべる悲しそうな顔
わたしにお茶を出すのを躊躇った事
(何か理由があったのかな・・・?)
普通だったら、何の躊躇いもなく済ませると思う。
あの時の彼女に、少しでも良心があったと・・・
そう信じたい。
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作者名:おもち | 作成日時:2013年12月26日 13時