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襲撃の後 ページ25
石)「A・・・」
貴)「はい、何ですか？」
珍しく弱々しい声で話掛けてきた
石)「・・・今日の私を見て、怖くはなかったのか」
貴)「え？」
すっと差し延べられた手は、
優しくわたしの顔に触れてくる
貴)「・・・いえ？全く」
石)「っ！？あれ程人を殺める事を恐れていたのにか！」
貴)「むしろ格好良かったです」
わたしの言葉に驚きを隠せず、
目を見開く三成さんは何だか新鮮だ。
貴)「最初は怖かったんですよ？」
石)「やはりか・・・」
三成さんは落ち込んだ様に視線を落とす
貴)「でも、三成さんが居てくれたから・・・怖くなかった」
石)「・・・！」
わたしは何だか小恥ずかしくて、後ろを向く。
貴)「三成さんの為なら、どんなに汚れようと構わない、って思ったんです」
石)「っっ・・・！？」
相変わらず、雲はかかったままだが
だいぶ明るくなり始めてきた。
貴)「そろそろ行きますか！皆さん待っていると思います！」
わたしは振りかえらず、
そのまま門の方へ2・3歩進んでから口を開く
貴)「それと・・・大好きです」
石)「Aっ！」
呼び掛ける三成さんの言葉を聞かず、
わたしはひたすら城へ向かって走った。
押し付けだったかもしれない、
だけど今のわたしには
この事を伝えるだけで精一杯だった。
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作者名：おもち | 作成日時：2013年12月26日 13時
