テキーラサンセット《Takuya side》 ページ37
▪▪▪
「拓也、飲もう」
江「………は?」
あのドラマCDを撮ってから1週間がたち、桜もすっかり青葉に変わってしまった。寂しさはあるものの、青々としげる葉が揺れるのは夏を連想させてとても気持ちいい。
窓から見えるそれらと一緒に月見酒……なんてのもオツだと思っていた夜の晩、千里が突然家を尋ねてきた。
江「え、ちょ、卯月?」
「おじゃましまーす」
江「いや今人が……」
「お、なんだ来てたんだ。よう梅ちゃん」
梅「卯月、さん」
「おいこらあからさまに嫌な顔してんじゃねえぞ〜?」
梅「そんなことないですけど、どうしたんですか突然」
「ん?ちょっと飲みに付き合ってもらおうかと。この際梅ちゃんも一緒にどうよ」
斉「卯月さん!?」
「壮馬くんもやっほ。ほらほらいいワイン持ってきたから飲もうぜ」
斉「え、えぇ?!どういうことですか?」
うげっという顔をした梅ちゃん、トイレから戻ってきた壮馬も捕まり、手に持っていたいい所のワインを開けだした千里。
江「ちょっとまて卯月。なに急にどうしたの」
「うっ、うぅぅう……………とりあえず飲む」
江「え?」
「飲んで忘れる。忘れてやる!」
江「あぁ…そう………分かった。じゃあいいウィスキー開けてあげる」
「ありがとう友達」
江「いいってことよ友達」
突然うずくまったので泣き出したかと思ったら、急に顔を上げ『飲む』と宣言した千里。こういう時に何も言わず酒を酌み交わすのが友達だろうと思い、戸棚から年代物のウィスキーを持ち出した。
すると、心底面倒くさいような顔をしていた梅ちゃんが小声で言う。
梅「あの、俺帰っていいですか」
「ダメです」
梅「ダメですか……」
「ダメです。…たまには付き合ってよ、梅ちゃん」
梅「………はぁ」
千里がしおらしく涙をため上目遣いで言うと、流石の梅ちゃんも断りずらかったのか、もしくは諦めたのか渋々元の位置に座り直した。
壮馬もおずおずと千里から斜め右の位置に腰掛ける。
「さー飲もう!飲んで全部忘れるぞー!」
梅・斉「「………おー」」
先程の大人しい姿はどこへやら、胡座をかきイケボで高らかと宣言するとグラスにワインを注ぐ。
「まあまあまあま」と梅ちゃんと壮馬にそのままつぎ、さっきまで飲んでいた俺のグラスまでなみなみと入れられた。
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りさ - ななき。さん» こちらこそ! (2019年2月5日 21時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - りささん» ありがとうございます!ではまた、これからもよろしくです! (2019年2月5日 21時) (レス) id: 6cf8ba9d16 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ななき。さん» ぜひやりましょー!またお誘いします! (2019年2月5日 21時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - こちらにもコメントありがとうございます!とても励みになります!ぜひぜひ、やったことはないですが、時間が出来たらやってみたいと思ってます。またお誘いしてくださると嬉しいです! (2019年2月5日 20時) (レス) id: 6cf8ba9d16 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - お話読ませていただきましたー!続き楽しみに待ってます!機会があればリレー小説一緒にやりたいです! (2019年2月5日 20時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年2月4日 19時