三月のクローバーコレクト 3【声優】【学園モノ】

保健室の姫、または王子 ページ14

電話に出る櫻井先生に迷惑がかからないように、小声で壮馬に話しかける。




「どう？テストできた？」

斉「どうなんでしょう。予習復習はしたし、特別課題の分は出来てたのでいつもと同じくらいですかね。A先輩はどうでした？」

「私もまずまずかなー。泊まり込みで勉強会したし、出来てないとショックだけど」

斉「え、泊まり込み？…先輩、それって……」



櫻「ごめん2人とも、先生しばらく出ないといけなくなっちゃった。ここのお留守番頼めるかな？」

「あ、はい。行ってらっしゃいです」

櫻「いってきま〜す」



「で、壮馬何言いかけたの？」

斉「その泊まり込みって……えっと…お友達と、ですか……？」

「そうそう。拓也……は分かるよね。あと同じクラスの演劇部のやつと、C組の元生徒会副会長。拓也ん家で勉強会するはずだったんだけど、とあるトラブルで泊まり込みになっちゃってね。久しぶりにゲームやってさ、白熱したな〜」

斉「男の家に、泊まったんですか？」

「え、まあそう言えばそうだけど、普通に友達の家とか泊まるでしょ？」

斉「確かに女の子同士なら泊まることもあるかもしれません。だけど付き合ってもない異性の家に泊まるなんてそれは……」

「勉強会なんだしわざわざ帰ってまた来るのもめんどくさかったからさ。それにべつに友達ならあることだろ？」

斉「………A先輩は女性の友達がいないから分からないかもしれないですけど、そういうのって本来は絶対良くないことですよ。襲われでもしたらどうするんですか」

「襲われ………って、あいつらがそんな奴に見えるか？」

斉「………男はみんな、オオカミです」

「ははっ、草食系の典型的で見るからに人畜無害男子なアイツらが？w」

斉「………先輩」

「ん？……あ、体調悪い？顔色があんまり良くないけど……」

斉「いえ、……それより今日迎えが来ないんです。先輩、僕と一緒に帰りませんか？」

「え、う、うん。それは全然いいけど」

斉「じゃあ、行きましょうか」




壮馬の顔は、微笑んでいるのに冷たい感じがした。

背の高い本棚→←期末テストを終えて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す