《Another story》─�� ページ46
天「昔っからそうだよ。歳の近い子を家に住まわせるのも、帰る度にぬいぐるみを買っていくのも、結局なにも言わず出ていくのもそう」
全部、あの子のためになにかしたくて、何をしたらいいかわからなくて、何かしなきゃって結果があれだ。
天「でもAさんもたいがいなんだよね」
猫「どういうこと？」
天「まるでガラスケースに入れられた人形みたいに綺麗で、綺麗すぎて、敬遠されてしまう。触れることすら躊躇われてしまう。
それを嫌われてると勘違いして、臆病になって、『自分なんかに話しかけてくれる優しい人を、また怖い目に合わせてしまうんじゃないか』って疑って逃げて隠して……」
優しいくせに、優しいからこそ、優しい人故に、傷つくことを恐れて、傷つけることを嫌って、傷まみれの人間を放っておけない。
天「………傷つけても、傷つけられても、それでも傍にいたい言ってくれる人が現れるといいんだけどね」
猫「あんがい、すぐに現れるかもよ？そしたらどうする？」
天「………とりあえず、俺を超えてもらわなくちゃな」
猫「つっきーもたいがいなんだよなぁ……w」
勇者でも王子でも、魔法使いでも王様でも。なんでもいいからAさんを、俺たちの姫を救ってほしい。
「あ、桜」
Aさんが、数メートル先で空に手を伸ばした。
猫「あっという間に咲いたなぁ。入学式の時はまだ八分咲きやったのに……」
コンクリートの道には、薄ピンク色の花びらがいくつも落ちている。どこからともなく吹く風に連れてこられた、散っては舞って、咲いては飛んでの桜の花びら。
天「……今日はマンションの前の公園で、お花見でもしましょうか」
「いいね、じゃあ私場所取り担当〜」
猫「あたしはじゃあ余興担当でw」
「ツキは晩御飯担当だね」
猫「スイーツ担当もよろしく！」
天「………しょうがないですねぇ」
いぇーいとハイタッチするふたり。高校生になってもこういうところはまだまだ変わらない。
血は繋がらない。だけど一緒に住んでて、一緒に成長してきた家族。
彼女にもいつか、友達が出来て、恋人ができて、結婚相手が出来るかもしれない。その時は離れてしまうことになるんだろう。
それまではそばにいさせてくださいね、お嬢さま。
いや、俺のかわいい妹………。
春の甘い香りが鼻の奥をくすぐって、やがて肺に落ちた。
《Another story》───完───
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ななき。(プロフ) - Noel*26さん» 見つけてくれてありがとうございます！！タイトルについては後で解説？するつもりですwこれからもよろしくです！ (2020年1月21日 21時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - ちょっと待って好き過ぎる。高評価お気に入り登録失礼します、更新頑張ってください（ ＾ω＾）（和訳タイトルが運命の年の少女だと思った私を殴りたい） (2020年1月21日 0時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年12月29日 17時
